詩 19、または、ある芸術家に捧げる詩
筆をにぎる
長く、細い指
あたまのなかの
精と卵が
ひとつになって
命が、生まれる
あたたかな水をたっぷり含んで
ひろがる
色、色、色
ふくらむ かさなる ほころぶ つながる
まじわる ぶれる ゆらぐ たゆたう のびる
もつれる みちる かわく ねがう とびちる
ふいに両の手からこぼれだす 青
深く、深い その青
それをすくいとって
指先はまた動きだす
強く、しなやかに
その軌跡に残るのは
あなたが生み出した あなたの欠片
分裂する 無数の細胞
ありとあらゆる感情を飲み込んで
あふれる
色、色、色
生まれてからずっと
生み出してきた
−Das Leben ist ein weißes Blatt,
die Farben sind in dir− (※)
生み出すために
生まれてきた
※Das Leben ist ein weißes Blatt,
die Farben sind in dir.
(人生は一枚の真っ白な紙だ。
色は君の中にある。)
−Jochen Marrisの言葉より引用
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