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諦める勇気、諦めない勇気

試験で不合格だった
試合に負けた
事業で失敗して借金だけが残った
会社をクビになった
大きなケガや病気で、夢を諦めざるをえなくなった

…どれも、誰にでも起こりうることだ。
そしてどれも、そこで終わってしまったら「BAD END」ということになるだろう。

でも、試験に落ちようが事業で失敗しようが、基本的には人生は続いていく。
だからBADなできごとはあっても、ENDにはそうそうならない。
もし、望む結果が出るまで途切れ途切れでも続けたのなら、Something BADはメイクドラマのよいスパイスとなり、結果的にそのストーリーは逆転劇となるだろう。

物語なら読み進めていけば何ページ後かに必ず結末が訪れる。でも人生の物語は生きている限り現在進行形でページが増えて、最後まで結末はわからない。

だから難しい。
攻めどきも引き際も。
諦めるのか、まだ粘るのかの判断も。

∽∽∽

『バッタを倒しにアフリカへ』を読んだ。
著者の前野ウルド浩太郎氏は、バッタの研究をしているバッタ博士だ。

同書は、ポスドク時代の前野氏が、バッタの研究のためにアフリカはモーリタニアへ渡った顛末が描かれている。

モーリタニアといえば、スーパーに並ぶタコの産地程度の印象しかない。
申し訳ないが、この本を読んでもバッタへの興味はわかなかったし、ちょっとやっぱり好きにはなれない。

でも前野さんのことは応援したいと思った。

この本を読むまで知らなかったのだけど、博士課程を修了しても、その後研究者としての就職はとても難しいらしい。

事実、モーリタニアでの研究活動中に彼は無収入になっている。

モーリタニア滞在中も、なかなかバッタの大群が発生してくれない。相手は自然であり、生きものだから仕方がないのだけれど、そんな状況では焦りや不安も想像を絶するものだろうと思う。

しかも(?)、彼はバッタ研究者だというのにバッタアレルギーだ。

この本において、彼がバッタの大群に出会えたのか、また就職できたのかどうか、結末は伏せておく。
しかし諦めない姿勢、窮地に追いやられてもなお知恵を絞り、自分と同等またはそれ以上に仲間を大切にし、大胆な決断をばんばん下していく姿勢は、読んでいて勇気づけられた。


諦めることもまた勇気の要ることだが、先が見えない状況で諦めないことも相当にハードだ。

どちらが良い悪いではなく、自分の置かれた状況を冷静に分析し、人に教えを乞い、自分で自分の後悔しない道を切り開ける人でありたい。

今日も読んでくれてありがとうございます。
あなたが情熱を傾けられることは、なんですか?

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