何気ない歯磨きさえも自信になる
今日は歯ブラシを交換する日だ。
毎月8日に交換すると決めている。
毛先が開いてきたら交換のタイミングとはいうものの、毎日そこまで意識して歯ブラシに目を向けていない。最後に交換した日がいつだったか忘れがちだ。
したがって、「8=は=歯」だからと安易な語呂合わせで8日を交換日と定めた。
小学生のころからメガネがないと生活に支障をきたす程度に視力が弱いわたしだが、歯のほうは未だに虫歯なし歴=年齢をキープしている。
つまりわたしの人生において歯医者さんは縁遠い場所だった。
乳歯から永久歯に生え変わる頃、親がわたしの歯並びを気にして歯医者さんに通っていた時期がほんのちょっと。
その後20歳になり、変な生え方をした親知らずのせいで歯ぐきが腫れてしまい、就活前に4本一気に抜いたときにお世話になった。
だから、アニメやドラマでよくある「虫歯=痛い、歯医者さん=怖い」みたいな感覚は未だにわからない。
わたしの場合、視力は悪くなっても歯は悪くならない。だから歯を大切にしようなどとも、微塵も思ってこなかった。
そんなわたしが今、2~4ヵ月に1回、歯医者さんに通っているのにはわけがある。
祖父と義両親の最期をみたからだ。
最期といっても、本当に最期の瞬間ではなくて、弱っていく姿といったほうが正しい。
3人とも患った病気は異なるが、口からものを食べられなくなったら一気に弱り、そのまま逝ってしまった点は共通している。
ということは、歯が悪くなって口から食べものを食べられなくなったら、たとえ病気をしていなくても人間は弱るのだ。たぶん。
それに、おいしい緑茶のおともにカッチカチのおせんべいをボリボリやっていきたいし、弾力のあるタコやら砂肝やらは酒のつまみに最高ではないか。
うちの父親はしょっちゅう歯の詰め物がとれて歯医者さんのお世話になっており、それでもビーフジャーキーやらあたりめやらを食べることをやめず、もはや笑いのネタになっている。「そんなもん食べてまた詰め物とれんか笑」と。
わたしはそんな面倒な思いしたくない。なんといっても、今のところ詰め物もひとつもないのだから。
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そう、すこし話が逸れてしまったが、病気を避けるのは難しくても、歯の健康ならまだ維持しやすいのではないかと思うのだ。
もちろんカルシウムやらちゃんとした栄養摂取もだいじなのは知っているが、日頃の歯磨きだけでもそれなりに歯を健康に保てるのならメリットが大きすぎる。
だって歯が健康ならものが食べられるし、体も弱らないんだもの。
祖父や義両親の最期をみて、わたしは20歳ぶりに歯医者さんに足を運んだ。
虫歯はなかったものの、最後に歯を診てもらってから溜まりつづけた歯石がひどかった。
右上、左上、右下、左下と4回に分けて、歯石の除去にトータル2ヵ月ぐらいかかった。毎回びっくりするぐらい歯ぐきから出血した。衝撃だった。自分の口の中は健康だと思っていたから。
そうしてひと通り歯石をとりおえてからも、2~4ヵ月の頻度でクリーニングに通っているというわけだ。(そして8日の歯ブラシ交換も始めた。)
次回が2ヵ月後になるか、4ヵ月後になるかは、そのときの自分のがんばり次第である。毎日歯をよく磨けていて、歯ぐきもきれいなら4ヵ月後。
歯ぐきがちょっと炎症気味なら2ヵ月後。
できることなら4ヵ月後で願いたい。
「よく磨けているので、次は4ヵ月後で大丈夫ですね」と審判が下ったとき、わたしはしれっと「わかりました」といいながら、心のなかではめちゃくちゃガッツポーズをとっている。
「よく磨けているので」の前置きも地味に嬉しい。
やっぱり意識しないでおざなりに歯を磨く日が続いたときは「2ヵ月後」を言い渡されやすいのだ。結果がわかりやすい。
「いろいろできていないことはあるけれども、歯だけはちゃんと磨いたし、磨けてたんだ、わたし」と、日頃のおこないがプロの目でみてもちゃんと評価されたことで小さな自信がわく。
最初はただ、できればずっと健康でいたいからと思って足を運んだ歯医者さんだけれども、まさか歯磨きがこんなに自分の自信につながるとはね。
歯も自信も、だいじにしたいよ。わたしは。
さて、晩酌を始めますね。
最近はまっているたこキムチをおともに。
今日も読んでくれてありがとうございます。
あなたが最後に歯医者さんに足を運んだのは、いつですか?