1日、1日をちゃんと生き切ること。

毎日少しでも本を読んでいます。

本屋大賞ノミネート作品、

小川糸さんの「ライオンのおやつ」を読みました。

33歳の末期がん宣告を受けた海野雫が、終の住処として選んだ瀬戸内海にあるレモン島のホスピス、

ライオンの家での暮らしの話。

そこでは毎週日曜日の3時からお茶会があり、限りなく入居者の希望に寄せたおやつがふるまわれる。

誰のものがふるまわれるかは抽選で決まる。

おやつという言葉の響きには、独特のふくよかさというか、温もりがある。

おやつは必要のないものかもしれませんが、おやつがあることで、人生が豊かになるのは事実です。

おやつ、と言うとお菓子というよりどこか丸くなるの、不思議だな。

死ぬまで好きなおやつ、食べたい。

実際には受け付けないんだろうけど、それでもおやつの時間、というものがあると癒やされそう。

33歳、という年齢は今の私と同じで、そりゃもうこの本を読みながら色々考えさせられました。

この雫ちゃんの割り切った感じに最初淡々としたものを感じたのだけど、まぁ本音はそうじゃないよね。

そういう魂の叫びみたいなのが、段々出てきて、そうだよね、そうだよね、と思いながら読みました。

看護師という人の命に関わる仕事をしていたのもあって、がんで亡くなる方の雰囲気は想像できるけれど、私個人はそこに精神的に関わっていくことに苦手意識が強くて、だから、マドンナ（ライオンの家の看護師）、強いなぁ。。。すごいなぁ。。。と尊敬。

今はどちらかと言うとおやつを提供する側にいるので、

お客さんに心に残る「おやつ」を届けられるといいなぁ。

そして私は瀬戸内海を見て育った1人。かなり感情移入しました。

ちょっとした不平不満を言いながら何となく暮らしていける幸せ、とくと感じることができる1冊です。

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