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追憶の花|詩

窓辺からさす
あたたかな日差し
翠緑に色どる木の葉が
嬉しそうにほほえむ

規則通りにまわる世界で
あいまいに あやふやに
育っていく追憶の花へ
愛しさのカケラをひとつ
涙に溶かして注ぐ

黄色の花弁からは
やさしくてあたたかい
思い出の香りがする

戻れない記憶はいつだって
美しくてきれいなままだ
慈愛にあふれている

ぼくは実った果実を煮詰め
いちごジャムを作るみたいに
嘘と欺瞞をとりのぞく

偽りのない愛さえあれば
この枯れた心には充分だから

いつかこの心にも
百合の花のような
純粋でまっしろな花を咲かす
まるできみが書き残した
最期の遺書のように

追憶の花はきみの亡霊だ
いつかこの花も枯れたとき
ぼくもきみのそばにいくよ
百合の心をたむけて 

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