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新米日本語教師 未経験から400時間レッスン達成までのリアルストーリーVol.2

みなさん、こんにちは!オンラインで日本語を教えているErikoです。前回に引き続き、「新米日本語教師 未経験から400時間レッスン達成まで」について書いていこうと思います。1記事目はこちらから
前回は、

  1. 日本語教師への第一歩:どうして教え始めたのか

  2.  多くのプラットフォームからpreplyを選んだ理由は?

  3.  生徒を引きつけるプロフィール作成のポイント

について書きました。今回の記事では、

  • 継続に繋げてもらうために何をした?

  • 初心者からのスタート:初期のレッスン体験

  • 今のレッスンスタイル

  • 期待と現実:教えてみて分かったこと

について書いていきたいと思います!


1. 継続に繋げてもらうために何をした?

preplyでは、生徒さんが先生を選ぶときに、必ず最初に「トライアルレッスン」をすることになっています。トライアル後、継続するかどうか?を生徒さんが決めるシステムです。

青が継続の生徒さん、緑がトライアルレッスン。トライアルレッスンは手取りゼロなので、
たくさん入って継続ゼロだとちょっと凹んでいました

トライアル「レッスン」なので、自分としては初回からレッスンらしいことをしたいと思い事前に生徒さんに学習歴などを聞くメッセージを送っていたのですが、返信がなく当日になることも多かったです💦

なので初めの頃は、トライアルレッスンをほとんどヒアリングに費やしていましたが、それだけでは50分はもたない+初級者だと英語で雑談をするだけになりあまり継続につながらなかったため、授業で使っている教科書を使って雰囲気をわかってもらうことに時間を割くようにしました。

「継続してもらうため」に特別なことをしたというよりは、合うと思ってくれた生徒さんが継続してくれた、という感じです。まずは人として安心感・信頼感を持ってもらえること、継続した場合はどのようなレッスンをするかを伝えることを大事にしました。

どんなに教え方が上手でも、人と人なので「なんとなくの相性」みたいなものもあると思います。これも副業だったからあまりシビアに考えずに済んだところかもしれませんが、続けてくれる生徒さんが期待以上にいたため、あまり気にせず、自然体で続けていくことができました。

もちろん、どんな相手にも合わせることができるのがプロ!という考え方もあると思いますし実際そうだと思いますが、初めからそれを実行するのは難しいので、無理のない範囲で初めて少しずつ対応できる範囲が増えていけば良いのではないかな?と私は考えています。

2. 初心者からのスタート:初期のレッスン体験

最初は、日本語がある程度話せる方と、主に英語を交えながらおしゃべりに近い形でレッスンをしていました。「この本を読んでいるけど、わからないところを教えて!」というリクエストに答える、一緒にニュース記事を読むなど、体系的にゼロから教えるというよりは、気軽な会話の中でサポートすることが多かったです。

中級以上でよく使うNHKのNEWS WEB EASY
https://www3.nhk.or.jp/news/easy/

しかし、レッスン数が増えるにつれて、これから本格的に日本語を学びたいという初学者の方も増えてきました。そこで、初めて教科書を選ぶ必要が出てきました。ここでは、オンライン日本語教師の知人からアドバイスを受けました。

その結果、「まるごと」という教科書を使うことに決めました。日本語教師の皆さんの発信を見ていると、あまりこの教科書を使っている方は多くないようですが、教師向けのマテリアルがかなり充実しているのも、初心者教師にはありがたかったです。こちらのブログでかなり詳しく解説されている方がいらっしゃるので、ぜひ参考にしてみてください。

初級〜中級向け。みん日やGENKIに比べると薄くて、カラーイラストが多く
とっつきやすい雰囲気です。
まるごと公式サイトより:https://marugoto.jpf.go.jp/about/series/

さらに、ひらがなやカタカナから学ぶ必要がある生徒さんには、スマホアプリを紹介するなど、自分での勉強をサポートするようにしました。

3. 今のレッスンスタイル

生徒さんが自分から学びたい内容や希望を持ち込んでくれる場合は、その希望を優先しています。一方で、ある程度体系的に学びたい、あるいは学習内容を教師に決めてほしいという生徒さんには、基本的に「まるごと」を順番に進めるようにしています。

初めは自分でスライドを作ってみたりもしていたのですが、経験もない素人がゼロから作るより、まずプロが作った教科書を最大限活かすのが結果自分にも生徒さんにも良いということに気がつきました。自分の色を出していくのは基本が身についてからで良い、というのが今の考えです。

また、生徒さんから特に希望がない場合には、こちらから提案を行い、「こういったことを試してみませんか?」といった形で進めるようにしています。Quizletで単語カードを自分で作成し、宿題として出すこともありました。

quizletはオンラインで使えるフラッシュカード作成サービスです。
ブラウザもスマホアプリもあります。
作成もchatGPTにサポートしてもらっているので割とすぐできます。

また、まるごとはCan-doシラバスであることもありがっつりとした文法練習などはそれほど多くありません。なので、その辺りは他の教科書(GENKIをよく使います)や自作のプリント(ChatGPTを利用してかなり短時間で作成できています)を利用して補うなどの工夫をしています。

4. 期待と現実:教えてみて分かったこと

日本語に関する知識が一番大事だと思っていましたが、実際には「知っている」ことと「教えられる」ことは全く別のスキルだと気づきました。最初は、何からどうやって教えればよいのか全くわかりませんでした。

それに、ただ進めるだけではなく、どのように時間を配分し、飽きさせずに疲れないようにするか、どんなアクティビティを取り入れるかといったことがさらに難しいと感じました。「教師はエンターテイナー」と言う人も多いのも納得です。

ベテラン教師から「教えるために一番役立つのは教えること」とアドバイスをもらったことがあるのですが、本当にその通りだと思います。実際に少しずつ試行錯誤しながら、いろいろな方法を試してみる中で、何がうまくいっているのか、何がうまくいっていないのかを分析しながらブラッシュアップしていくことが大切だと思っています。

意外と、経験が少なくても続けてもらえることがあります。生徒さんの求めていること(値段や期待値など)と、提供できる内容がマッチしていれば、経験が多くなくても選んでもらい、続けてもらうことは可能です。私の場合、海外在住経験を活かして、特にアメリカやイタリアの生徒さんとは話がしやすかったです。

どれだけ日本語の知識が豊富でベテランでも、人として波長が合わないと感じる人には教わりたくないと思う生徒さんも多いでしょう。どんな生徒さんにも合わせられるのが理想系ではありますが、やはり「人としての相性」も大切だと感じています。

まとめ

初めは、正直に言えば軽い気持ちで始めたオンラインレッスンでしたが、会社の仕事では得られない喜びを得ることができる貴重な経験になっています。

  • 自分が誰かの役に立っていることを実感できる
    (レッスンのおかげで日本旅行で日本語が使えた、日本人と話せた、などのコメントをもらうと泣きそうなくらい嬉しいです)

  • オンラインのため生徒さんが世界中にいて、色々な国の文化や普段関わらない職業の方の話を聞くことができる
    🇮🇹🇺🇸🇨🇦🇭🇰🇨🇳🇸🇬🇩🇪🇧🇳🇮🇳などの生徒さんがいました。

などなど、始めて良かったなと思うことはキリがありません。
生徒さんが日本に来た時に直接お会いしたことも何度もあります。

フリーランスの大先輩が、「自営業は、必要としてくれる人の前にさえ立てれば成り立つ」と仰っていたのを、オンラインで教え始めてから改めて思い出しました。

日本語の知識が世界一でなくても、教え方が世界一上手くなくても、きっと相性が良い人、必要としてくれる人はいます。その人たちと繋がることさえできれば、はじめの一歩は踏み出せるのだと学びました。

この記事が、これから初めてみたいと思う人の参考に少しでもなれば、本当に嬉しいです。ここまで読んでいただき本当にありがとうございました!



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