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バーテンダーとオンライン日本語教師が思いの外似ていた話

みなさんこんにちは!オンラインで日本語を教えているErikoです。

今日は、自分が過去にバースタッフをしていた時の経験と、今の日本語教師の経験で、似てるなぁと思うことについて書いてみました。
(書き始めたら、思った以上に出てきてびっくり!)

ちょっとした小話として、読んでいただけたら嬉しいです。


「いつ開店するか」は選べるけど「いつお客さんが来るか」は選べない

飲食店で言うと、「いつ開店してお客さんを迎える状態にしておくか」は選べますが、「いつそれぞれのお客さんが来るか」は選べないですよね。
必ず混んでいる曜日があるわけでもなく、週末に謎に暇な時もあれば、平日に急にお客さんが重なったり。

オンラインレッスンも、「いつオープンにしておくか」は自分で選べるけど、個々の生徒さんがいつレッスンを予約するか、はそれぞれの状況があるのでこちらで決められることではないですよね。
仕事の都合、休暇、予算の都合、などなど…「受け入れる側ができることはやった上で、最終的には待ちの状態」になる、というのは似ているなぁと思いました。

私が通うバーは結構お客さんの入りの波が激しく、ノーゲストの日があったと思ったら、1週間分のお客さんが重なってマスターがわちゃわちゃしていることもある、そんな場所です。飲食店の方はみんな口を揃えて、「予想できたら楽なのにねぇ…」といつも言っていました。
オンラインで教えていらっしゃる先生方も、そういうこと、あるのではないでしょうか?(何で同じ日にこんなに重なるかな〜という)

「一番お酒が美味しい店」をみんな選ぶのか?

次は、「お客さんがお金を出している対象は、必ずしも「直接的に提供されているもの」だけではない」ということです。

私にとっては、ですが、バーはもちろん美味しいお酒を楽しむ以外にも

  • マスターに知らないお酒について教えてもらえたり

  • 気心の知れた人たちと雑談したり

  • 普段知り合わない人と知り合えたり

と、いろいろな楽しみ方ができる場所です。

極端な話、ずっとウイスキーをストレートで飲んでいるのであれば、同じ銘柄のボトルを買って家で飲めば同じじゃん、ということになりますね。

でもバーが提供している価値のうち、それは一部でしかなくて、やっぱり居心地の良いお店の雰囲気(マスターや常連さんとの相性含め)だったり、新しいお酒や人や情報との出会いだったり、そういうものを求めてみんな来るのだと思います。

だから、「お酒の味」とか「品揃え」とかだけを取り出して比較してもあまり意味がなくて、やっぱり人と人なので相性もあるし、お店の雰囲気の好き嫌い、もっと言えば単純に「家から近いかどうか」とかも通うかどうかには大きく影響しますよね。
(飲食店の人たちは、「道の反対側に移転しただけでも来るお客さんは変わるもんだ」とよく言っていました)

私の知っている場所でも、お酒や食べ物の味で人が集まっているというよりも、「まぁお酒とかはぶっちゃけ普通だけど、なんか店主が面白いんだよね」でお客さんが来ているようなお店も結構あります。

こんなことを語学レッスンに例えてみると、必ずしも「教師歴が長い人」「教え方が上手い人」が1番なのか?と思うわけです。(そもそも教え方の上手い/下手って何?と言う話はここでは脇に置いておきます)

人と人なので相性ももちろんあるでしょうし、何となくこの先生の雰囲気が好きとか、自分の国のことをよく知っているから話しやすいとか、語学関係ないところで共通の趣味があるとか、そういうのも結局はすごく大事なんだろうと思います。
あとは、「自分が受けたい時間に空いているか」(バーだったら「家から近い」と同じ)などの要素も関係してきますよね。

自分も1年間レッスンをしてみて、もちろん生徒さんに合わせた日本語学習のサポートをするのは当然ですが(これがバーで言うと「お酒」になるのかな)、それ以外にも

  • 行ったことがない国の文化を知りたい

  • 家族でも仕事関係でもない人と話したい

  • 単純に雑談したい

などのニーズも正直、結構あると思っています。

私はよく「お酒別に飲みたくないけど、みんなと話したいからバーに行きたい」いう状態になることがありました。笑

そんなことが、先生/生徒でも、信頼関係が積み上がってくると起きうるのではないかと思っています。(「ものすごく勉強のモチベが高いわけじゃないけど、先生と話したいし、レッスン受けるか〜。」)
そしてその結果言語学習も進むなら結果オーライ、じゃないでしょうか。

常連さんを作るのが一番大事

お店のスタイルにもよりますが、地元の人が集まるようなお店では、やはりどれだけ固定のお客さんがついてくれるかがお店にとっては一番大事です。(私が働いていたお店もそうでした)

割と観光地エリアだったので、海外旅行のお客さんなども時々来る(そしてお金に余裕がある人が多いので結構気前も良い)のですが、やはり旅行客なので気に入ってくれてもまた来れるわけではありません。

レッスンでも、できるだけ相性の良い生徒さんに、リピートしてもらえるようになるのが大事だという意味で、ここも似ているなと思いました。

お客さんの反応がダイレクトにわかる

私がバースタッフそして、今のオンライン日本語レッスンをとても楽しめている大きな理由です。

バーカウンターに立っていると、お客さんの顔がよく見えます。
お酒の説明をしたり、手が空いていれば雑談のお相手をすることも多いです。

お酒を飲みながら、お客さんが楽しそうにされていたり、自分と会話しながら笑ってくれたり、知らない人同士で話始めて盛り上がってくれたりしていると、自分もとても幸せな気持ちになりました。

今、生徒さんとはオンラインですが1対1ということもあり、似たような感覚を持っています。

数はまだまだ多くないものの、とても良い生徒さんたちに恵まれ、
「先生のおかげで、日本旅行で日本語が使えました!」
「この時間が僕の毎週の楽しみ」

などなど、直接言ってくださる方もいて、その度に何とも言えない嬉しい気持ちになります。

この「直接のフィードバック」も、カウンターに立っていた時と、オンラインで日本語を教えている時で、実はとても近い感覚を覚えているところです。

また、1人1人に向き合えるので、(生徒さんでもお客さんでも)

「そういえば〇〇に旅行行かれたんですよね、どうでしたか?」
「引越しされると言っていましたが、準備は順調ですか?」
「新しい仕事はどうですか?」

など、相手が開示してくれる限りにおいて、自分もできるだけパーソナルな対応を心がけています。

お店の常連さんでも生徒さんでも同じだと思いますが、時間があいていても「自分の言ったことを覚えてくれている」というのは、「あなたのことを気にかけていますよ」というメッセージを伝えるとても良い方法だと思います。(バーテンダーにとって記憶力はとても大事!その場でメモなども取れないですしね。)

まとめ

こんな感じで今日は、バーでの経験と、日本語教師の経験を比べてみました。一見何も関係がないように見えますが、考えてみると思いの外似ていませんか?

目の前に相手がいて、喜んでもらえているとか、役に立っているとか、そういう手触りがあるというのは、本当に幸せになれるんだな〜とこの2つの経験を通して自分は強く思いました。

ではみなさん、また次の記事でお会いしましょう!

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