母が免許を返納した日
年老いた親の免許返納問題、結構大変なおうちが多いですよね。
我が家も例にもれず時間がかかりました。
でも2年前のある日突然免許を返納したんです。
そんな我が家の話。
母が免許を取ったのは
私は4人兄妹の末っ子。生まれた頃近所には70オーバーの祖父母が暮らしていました。
つまり母は8人分の買い物をすることに。
それまでバイクに乗っていましたが、4人目が産まれとうとう車の免許が必要だと40歳を過ぎて私をご近所さんに預けて教習所へ通ったそうです。
乙女な母ですが、バイクも車も好きで運転するのが楽しかったようで、
車の「便利さ」に加え「好き」という気持ちがあるからこそ、車を手放し免許を返納するというハードルは高かった。
でも60代の特に後半になると同乗しててヒヤッとすることが増えてきました。
70代になりそのヒヤッとが増え、さらに本人がそれを覚えていないというのが家族としての不安を加速させました。
まずは車を手放そう作戦
簡単ではありませんでしたが、いきなり「免許を返納しよう」と言うよりメリットを示しやすいのが「車を手放すこと」だと思いました。
車を手放す1番のメリットは、駐車場、保険、税金、ガソリン、車検などの維持費用が浮くこと。
老後資金の不安があるなら手放すことでどれだけ費用が浮くか計算して提示しました。
そしてデメリットをどう補えるかを提案。
買い物はネットを利用すること。自分でできない場合は娘の私が代行すること。
病院へタクシーを使った場合の費用の計算。メリットで浮いた分で補えること。
説得のはじめの頃はどうしても車に乗りたいときはレンタカーやカーシェアリングを利用できること(実家近くのお店を調べた)。
近年、実家の徒歩圏内にドラッグストアやスーパーができたのもこのメリットを押すのに役立ちました。
買い物の予行練習みたいな感じで
ネットスーパーに関しては地域差があると思いますが、まずは私が自分で利用してみて、次に母の住んでいる地域で探しました。
試しに風邪を引いたタイミングで私がネットスーパーで購入して実家に届けてもらうことを実践。
気軽に少量から早く来てもらえることを実感してもらいました。
早いという感覚は人それぞれですが、宅配のCOOPも利用しているので通常は1週間。ネットスーパーは早ければ当日遅くとも数日以内に届けてくれますからね。
それからもちろん、Amazonや楽天などのサイトも日頃から利用しています。
時間をかけて待つ
うちの場合は車の話を60代から始め、時間をかけて説得することで本人が車を手放し免許を返納することを決めてくれました。
ときに金額を計算し、ときに事故の危険性その時相手と自分がどれだけ傷つくかを考えてみて欲しいと情に訴えました。
もちろん、恵まれた環境にいるから比較的すんなり行ったのかもしれません。それでも好きなことをやめてもらうのは一筋縄ではいきませんでした。
しかし車検と免許更新と重なった時に、車を手放して免許返納をサクッとしてくれたのも事実です。
ちなみにうちの場合、私からすると車を手放すことと免許返納は別問題だと思っていたのですが、本人的には同じことだったようです。
時間をかけて待つつもりだったので、少し早い段階から話題を増やしていました。本人が納得するタイミングでできてよかったと思っています。
明るいシミュレーションのすすめ
車を手放し免許を返納することは本人にとって今までの便利な生活や自尊心の維持などができなくなるデメリットばかりに目が行くことが多いように思います。
年老いてからの運転は危ないという理由も説明しなくとも本人も理解していて、でも自分の老いを認めたくないという気持ちもあってなかなか自分に当てはめてもらえません。
でも金額を計算して見せることで、浮いたお金を貯金に回すもよし旅行や美味しいものを食べに行くことに回せるんだよというポジティブな話に変換できます。
一緒に旅行に行くならどこがいいか、何が食べたいか話してみると顔がぱっと明るくなるのがわかります。
早めに手放すことで楽しい経験が増えるんだよ。と、できるだけポジティブな面を強調しました。
ネガティブなことは伝えなくても本人が一番感じていることなので。
説得の仕方は色々あると思うのですが、私の経験上金額の計算をしたことが大きかったように感じているのでおすすめします。
以上我が家の免許返納の話でした。
ちなみに自治体によっては免許を返納した際もらえる『運転経歴証明書』があると色々とお得なことがあったりするみたいなので、調べてみて作戦を考えてもいいかもしれません。