見出し画像

【詩】夜行バス

ガタゴト走っていく箱の中
豆粒みたいに小さくなる明かりを眺め
無造作にヘッドフォンを装着した
普段は聴かないR&Bの洋楽
ちょっと背伸びしてみたかっただけ

ゆらゆら揺れる箱の中
スーツケースから溢れそうなほどの手紙
一枚一枚丁寧に読む度 
滲んでくる涙
あんなに 離れたかったはずの故郷なのに

スピード上げて進む箱の中
角が少し汚れたギターケース抱え
頭ん中 空っぽにしようとした
けど、やっぱり浮かんできたのは
紡いできた大好きなCコードやGコード

「また、会う日まで」
誰にも聞かれることのない誓いを立てて
握りしめた お守りのペンダント

いいなと思ったら応援しよう!