双極性障害フォーラム2021
〜双極性障害の女 40代で全て失いかけた3〜
写真は土佐ベルガモットというオシャレな飲み物です。これを買った直後にJALのどこかにマイルで「高知」行きが決まったので記念に。
さて昨日、双極性障害フォーラムというのがあり、世界双極性障害デーというのに合わせて、著名な先生のオンライン講義があったんですね。さすが、加藤忠史先生の専門的な話、尾崎紀夫先生の身近な話は大変役に立ちました。(途中で通信がブチギレてしまったので、ヒアリングはここまで)
たくさんお話しいただいた中で、これは!と思ったことを記す。
まず、寛解状態でも薬はやめていいのか?という質問に、加藤先生は状況に寄ってはやめてもいいのではとおっしゃっていた。けれど、自分はやめようと思わない。なぜかというと、寛解状態の後に来る躁鬱が怖いからだ。先生も言っていたけれど(ここ重要)「失うものが何もないのであれば」寛解状態時の薬をやめてもいいのではと提案はしていた。つまり「何か失いたくないものがある人」は寛解状態でも薬はやめてはいけないのだ。みんな、ちゃんと理解できただろうか。
自分は、今、非常に安定しているが。おそらく寛解状態と言えるだろう。しかし、血液検査ではリーマスもデパケンも「基準値よりも下」の数値を維持している。どんなに錠数を増やしても基準値まで上がらないのだ。けれど、飲まないよりは飲んだほうがマシということだろう。先生はずっと同じ錠数の薬を出す。リーマス4錠に、デパケン2錠〜3錠が非常に面倒くさいので、デパケンをセレニカRに変えてもらって錠数を減らしてもらった。薬を飲み続けるにも、英語でなんとかっていうらしいんだけど(薬剤師さんなら知っている)薬の数を減らしてもらうなどの「飲み続けやすさの工夫」が必要らしい。だから、先生にお願いして、小さいことだけれど、錠数を減らしてもらうのを手伝ってもらっている。
例えば、デパケン200mg +100mgの2錠→セレニカR400mg(デパケンに400mg錠がなく、同じ成分だけど名前が違うだけ)1錠、ラツーダ20mg +40mg→60mg1錠、デパスとランドセンなら、どちらかを1錠、コンサータ36mg +18mg→36mg1錠に減らした。他にも薬は飲んでいるけれど、これで自分は調子が良い。リーマスの400mg錠は副作用の関係で作られていないんだと思うから、これを4錠飲むのは仕方ない。調子が良いということは、寛解の状態が続いているということと、薬が飲みやすくなったので、飲み忘れがないし、苦痛でもない。もちろん、リーマスを飲み続けることで制約はあると思うけど(鎮痛剤で飲み合わせが悪いロキソニンが飲めないなど)他に解決方法はいくらでもあるからなんとかなるのだ。ロキソニンが飲めないから困っていたら、トラムセットを出してもらって非常に助かったこともあったし、グレープフルーツジュースじゃなくてもオレンジジュースで十分だ。
つまり、寛解状態なら薬を飲まなくてもいいですか?=自分は双極性障害者じゃないですよね?と言いたいだろうけど、言ったように失いたくないものがあるなら薬を続けたほうがいい。言い訳はたくさんできるけど、失った後には何も言えなくなるから。この病気はご存知の通り、再発率は薬を飲まなければ90%以上だ。寛解状態が長く続くと、「本当に双極性障害だったのかしら」なんて思ってしまいがちだけど、そんな時こそ、過去に自分でやらかしてしまったことを、とくと思い出してみるといい。普通の人ならきっとそんなことやらかさないでしょ。(調子良い時、躁の時に自分は双極性障害者じゃないと薬やめるのも同じ)躁がきたら必ずうつが来る。躁の波が大きければ大きいほど鬱の波も大きい。それを穏やかにするのがリーマスとデパケンだと思っていただければ。自分の脳神経を自分の人生を守ってくれる小さい薬、しっかり飲みましょう。
自分の中の双極性鬼10則
1、うつでも同じ時間に起きろ
2、うつでも同じ時間に運動しろ
3、うつでも同じ時間にご飯を食べろ
4、躁なら動くな
5、躁なら金を使うな
6、躁なら喧嘩するな
7、混合状態なら自殺するな
8、混合状態なら決定するな
9、混合状態なら薬のめ
10、寛解なら進め、いまだ
これは、国立精神センターの先生の話や今回の双極性フォーラムの加藤先生や尾崎先生、主治医の先生の話を聞いて感じたことです。どこまで頑張れるかわからないけど、この鬼則で生きていきたいと思う。これ以上人生を壊したくないから。
あと、尾崎先生の話に興味深いところがあった。辛すぎたらやめていいけど、そうになった時の状況を思い出して書いてみることをお勧めされた。その後どうなったかも。(辛いわ)軽装状態になる時には、人によって特徴ある「何か前駆兆候」があるらしいとのこと。これは自分も感じていた。話に出てきた人は、メガネとマフラーを買いたくなるらしいんだけど、自分の場合は、久しぶりに旧知の知人に会いたくなる、誰かに電話したくなる、イヤリングしたくなる、化粧を変えたくなる、などかな。これは自分をよく観察していたら、そうかな?と感じられると思う。この前駆兆候がわかると薬を躁を抑える薬に変更できたりするので少しは役立てられると思う。
だけど、躁に変わる時、うつになる時、混合状態に変わる時って、朝起きたら変わってませんか?下手したら数時間後とか。私は、はっきり覚えている。躁に切り替わった時を。夕方5時ごろに会社の屋上で急に変わった。あの時は、爽快感でいっぱいだったんだけど、あの後すぐにクリニックに走って行くべきだったと後悔している。
躁って、本人は大変に気持ちいいものです。まるで霧が晴れ渡って、パーっと光の筋が見えたような、やっと見つけた、これだ!みたいな感じなんで、これを疾患だなんて思えないんですよ。だからクリニックに走らなかったわけで。
だけど、クリニックに走らなければいけない理由は2つ。
自分の人生を守る。その後のうつから守る。
その時に感じた躁がでかければ、次に来るうつが大きいので、下手したら廃人並みに動けなくなるので、仕事を休むとかやめなければいけなくなる。既婚女性ならまだしも独身の人や既婚男性なら仕事の危機=家庭の危機ですわ。家族を養っていけない。そんなの、失うもの大きいでしょ。愛する人を悲しませるわけにいかないし、独身だって自分の生活の基盤を失ってしまう。
障害年金をいただいているけれど、それだけじゃやっていけないですよ。厚生年金障害3級なら2ヶ月で9万円ちょいしか貰えませんからね?病院代になるかどうかじゃないですか。もし生活崩壊させて、障害年金受給したとしても、生活保護もらわないとやっていけません。生活保護は13万円くらい貰えますけど、年金4万円くらい引かれるので、9万円くらいもらえるのかな。生活保護でやっていくってことは、最高で13万円でやっていかないといけないし、引っ越さなければいけない。(家賃4万円以下でないとダメですから)大体1ヶ月4万円なんて、躁状態の時に作ってしまった借金返済なんて雀の涙にもならないですよね?本当に病院代だと思ったほうがいいですよ。病院代に使ったら、ケアサービスに使えるのかな。難しいかもしれない。市役所に行って障害者手帳も必要かもしれない。障害年金3級をこんなに低く設定している国会に文句言いたいくらいだけど。双極性障害の障害に対してっていうなら本当に生活できるくらい(生活保護とは別に)保証してくれるくらいの金額にして欲しいと思う。そして、保障が十分になったら、双極性障害の人に「教育」したり「研究に参加」させるとか、国をあげて双極性障害を防ぐような制度を作ってほしい。はっきり言って、そうしないといけないくらい、この障害は自分の人生も他人の人生も破壊してしまう。社会的にも「損」です。寛解状態なら普通に仕事ができるんです。しかし、日本人の100人に1人、双極性障害になる可能性があるんですよ?国民病と言っても過言ではありません。
現実的に辛いこと書いていますが、躁になると「なんでもできる」という万能感が出てくるので、ここまで厳しいこと書かせていただきます。双極性障害で甘く考えている人、もう一度安定しているときに、考え直して。
そして、絶望の話だけじゃなくて。双極性フォーラムで加藤先生は双極性障害の研究を進めていらっしゃいます。この薬が効きそうだと見当がついているので、これで症状を安定させましょうと言っています。他の脳細胞の研究や神経細胞の研究はまだ発展途上ですが、そのうち新しい薬も出そうとのことでした。絶望しないでください。大丈夫です。他にも双極性障害の人はいるし、研究してくれている先生もいるし、脳神経を守ってくれる薬もある。一緒に歩いていこう。
新薬に関しては、聞き取れなかったんだけど「エプセレなんちゃら」と「カリプラジン」というのと、「Rケタミン」が出てきているそうです。
障害に負けずに、勝っていきましょう。症状が様々ですから、一概にみんなが同じ行動をできるわけじゃないですけれど、それぞれの症状の時に、「こうすればよさそうだよ」というのがわかってきているから、それを共有していきましょう。大丈夫、あなたは一人じゃない。