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誰も教えてくれなかった、うつ病で働けない時のお金の話
自分が経験した中で直接的に誰かの役に立てることってなんだろう?と考えたときに浮かんだテーマ
心身ともにダウンした経験をしたからこそお伝えできる話
聞きたくてもなかなか人に聞けない
(もし自分が聞き手なら躊躇してしまう)話
すぐにお伝えできるのはお金のことかな?と思い、自分の経験が少しでも誰かのお役に立てると嬉しいです。
支出編
医療費
自立支援医療制度をご存知ですか?
自立支援医療制度とは?
心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。
要は、精神通院に関する医療費(診療代、薬代)が1割負担になります。
通常の医療費は3割負担なので、継続する通院やジェネリック医薬品(後発医薬品)がない処方薬を服薬する私にとってはありがたい制度です。
所得に応じてひと月あたりの負担上限額が決まってくるので、詳しくは厚生労働省のHPやお住まいの自治体のHPをご覧ください。
復職に向けたリハビリ(リワーク)
回復できた頃、会社からリワークを勧められ、主治医と相談して実施することにしました。
リワークとは?
return to workの略語です。
気分障害などの精神疾患を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)を実施する機関で行われているプログラムです。復職支援プログラムや職場復帰支援プログラムともいいます。
実施機関が医療機関・都道府県の障害者職業センター・民間企業など様々なものがありますが、日本うつリワーク協会のHPにわかりやすくまとまっていました。
私は都内在住でしたが、自分に合いそうなところを探したかったので、東京都と埼玉県の両方を見学させてもらい、埼玉県の施設にお世話になりました。費用はかからず、交通費の自己負担のみでした。
復職前に決まった時間に通い、簡単な作業を行ったり、人がいる環境で数時間過ごすのは良いリハビリになりました。特に認知行動療法や面談など自分と向き合う時間のおかげで、再発せずに済んでいると思います。
うつ病を経験する前に戻るのではなく、うつ病を経験したからこそ得られたもの、回避できるものがあります。また経験したいとは思わないけど、経験したことを自分のエネルギーに変えられるようになりました。
💊 🐱 💊
収入編
お給料
これは会社によるので、大事なのは就業規則を把握しておくことだと思います。
私は、お給料の心配までできるほどの余裕もなくおやすみに入りました。
結果的にわかったこと、それはすべて就業規則に書いてありました。
当時はそんなことも知らずにお休みしてしまったので、会社の人が丁寧に説明してくれました。ありがたい。。。制度も手厚く助けられました。
私が勤めている会社には病気休暇と病気休職の2種類がありました。
「休暇」とは?
労働契約上の労働義務があるものの、一定の要件を充足することにより、労働義務が免除されるものです。
「休職」とは?
主に、労働者側の自己都合により、業務遂行が困難または適当でない場合、労働契約を維持しながら労働者の業務を免除すること、または拒否することをいいます。休職制度は法律で定められたものではありませんが、採用している企業が多く見られます。
私が勤める会社は、就業規則によって病気休暇の期間が決まっており、渡しの場合は3ヶ月でした。私自身、3ヶ月で復職できればと思っていましたが、病状が回復せずに結果的にその後の病気休職も含めて約2年半休むことになりました。
その間のお給料は、病気休暇中(3ヶ月間)は100%、病気休職中は80%と手厚い制度に助けられました。
傷病手当金
傷病手当金の条件のひとつが
”給料が出ていないまたは傷病手当金より少ない”だったため
お給料を受給している私は対象外でした。
自身の健康保険の内容や社会保障を改めて知っておくべきと感じました。
保険金
以前、同じ会社の先輩にたまたま勧められたGLTD保険(Group Long Term Disability Insuranceの略:団体長期障害所得補償保険)に加入していました。病気やケガで働けなくなったときの収入源をカバーしてくれる保険です。
新入社員のときのメンタルヘルスの研修を受講しても、自分には大丈夫だろうと感じていました。入社3年目頃に入ったこの保険は、月500円程度だったのでお守り程度に入っておくかという軽い気持ちでした。
病気休職に入り80%に減額したお給料の補填してくれたのがこの保険でした。働けない期間が長いほど保険金が増額される保険だったので、長期の休職になってしまった私を助けてくれました。おかげでお金の心配をせず、生活も変えずに療養できました。(むしろ猫ちゃんが増えました🐈⬛)
休みに入ったときにはこの保険のことを思い出すほどの余裕はありませんでした。休職期間中、動けるようになってきた頃の話です。部屋の片付けのときに出てきた保険の書類を見て、自分が対象だと知り、お問い合わせをして手続きをしました。
障害年金
うつ病の症状によっては受給できるようです。主治医にご相談してみるのが良いと思います。(私は相談の上、対象外でした)
💊 🐱 💊
おわりに
世の中には助けてくれる制度がたくさんありました。
ただ、やさしくすべてを教えてくれる人はいません。
申請をしないともらえないものも多くあります。
働いているとき、自分のお給料から天引きされているものが何か、そして何に使われているのか病気になる前は無頓着でした。
こうして制度が整っているからこそ、知ると知らないでは大きな違いがあると痛感し、復職に向けた時間の中でFP3級(3級ファイナンシャル・プランニング技能検定)を取得しました。おかげで広く知識を得ることができました。まだまだ勉強中ですが、世の中に関心を持ち、勉強することの大切さを改めて感じました。そして、何より健康が一番!
すこやかに、そしてしなやかに。
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