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本『夜と霧』

「夜と霧」 新版
ヴィクトール・E・フランクル
池田香代子 訳
みすず書房

この「夜と霧」は、私の人生観に衝撃を与えました。

この本は、強制収容所を体験した心理学者の体験記であり、世界的なロングセラーとなった名作。

「強制収容所での体験」ということで、病的な不安を抱える私にとって、この本を読むことにより心的トラウマが発生するリスクはあったのだけれど、それでも勇気を出して読んで良かったと思います。

これまで幾度となく、生きることへの絶望と人間への絶望を、力無く抱いてきた私だけれど、読み終えた今、生きることと人間であることに、勇気を持てた気がします。

これは「あんなに悲惨な状況に比べれば、私の現状は幸せなものだ」ということではなくて、全然状況の違う今日の日本にいても、私は私なりの苦悩や絶望があるわけで、その苦悩や絶望にすら添いながら、一筋の光を見せてくれる本でした。

ただただ、事の残酷さや悲惨さを伝えるだけのものではなく、そこには、「人間とは」「生きることとは」という、国や時代も越える普遍性があり、読み継がれるべき本であると、私も思います。

そしてまた、悲しくも戦争の火がまだ消えないこの世界に今生きるからこそ、改めて読み継ぐべき本であると思います。



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