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雨月そら
2022年12月26日 10:57
夢話ノ陸 お元気三ネズミで頭スッキリ? 「で?ネコが、ネコ飼ってたにゃんか?」 そらの決めセリフなど全く興味なく、オットは大きななあくびをする。そらはフゥーーっと、怒ったように毛を立たせている。 「ネコがネコ飼えるわけにゃいにゃ!!吾は、人間で、大切な人と暮らしてて、花を飼ってたんにゃ!!!」 「ん?大切な人、人間のご主人と暮らしてた、飼いネコだったにゃか?」 「ちがーーう!!
2022年12月26日 08:53
夢話ノ伍 吾?は吾 「そうにゃんねぇ〜、そら、にゃんね...」 よっこいにゃっとそこにはイスはないのに、オットは宙に座った。そこには見えないソファーチェアでも、あるかのように。カウンターテーブルに片肘つけて頬杖を付くと、くはぁとあくびをする。 「で、にゃ?他には覚えてにゃいにゃ〜か?」 そらは問われて、オットの方へ顔を向けた。オットの目は黄金に輝いて、魔法にかかったように目が離せな
2022年12月24日 21:11
夢話ノ肆 吾、猫である? オットは、ぼんやりしている黒ネコをジィ〜と見つけてどんどん近づき、鼻先が触れるか触れないかギリギリまで迫る。 「大丈夫だかにぁ〜?目ぇ〜開いて、寝ちゃったんかにゃ?お〜い?」 オットが呼びかけて、自分の両頬の横で両手を左右に振っている。やっと、気づいた黒ネコは、あまりにも近すぎてびっくりして目を大きく見開いた。 「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 黒ネ
2022年12月11日 07:13
夢話ノ参 獅子舞舞の魔法の館 笛の音が響いて、続いて、太鼓の音がする。 どこだ、どこだと、ソワソワ、キョロキョロ、黒ネコ。 竜の空の遊戯のように、獅子舞が、ゆったり、大きく舞っている。 ピーーーと通る音色、ドンと重く響く音、優雅な獅子舞の舞につられて、トコトコトコと、黒ネコは、尻尾をブンブン振って引き寄せられた。 獅子舞に、興奮気味に、一緒に舞って、右に左に。 ドンと、太鼓が
2022年12月9日 03:52
夢話ノ弐 双竜の鏡トンネル 朱い月夜の晩は、不思議なことが起こる。 月明かり、薄ら雲に隠れて、二頭の竜が、夜空をゆうゆうと、泳いでる。 一頭の竜が、くるりと輪を描いて、お月様。 もう一頭の竜も真似して、くるりと輪を描いて、お月様。 二頭の竜は、仲良しこよし。 一頭がくるりと回れば、もう一頭もくるりと回る。 二頭の竜は、仲良しこよし。 一頭がゆうゆうと空を泳げば、もう一
2022年12月1日 20:07
夢話ノ壱 黒猫見参! 暗い暗い森の中、黒猫一匹、迷い込んだ。 「にあぁ〜!!どこぉー、こーこー、ひぃーぃ!!」 道の両脇の大杉がぐーんと、アーチみたいに、ずずーんと上に伸びて、黒猫には薄気味悪くて、びくびく。 少し行った先、ナラの木、チラホラ、秋から冬のちょうど真ん中、落ち葉が、獣道、いっぱい落ちて、黄色い葉っぱの絨毯が、真っ直ぐ伸びて、そこだけ、きらきら光ってる。 黒猫は、落ち