《児童小説》 吾、猫になる 1 ようこそ、キャットストリー島2
夢話ノ弐 双竜の鏡トンネル
朱い月夜の晩は、不思議なことが起こる。
月明かり、薄ら雲に隠れて、二頭の竜が、夜空をゆうゆうと、泳いでる。
一頭の竜が、くるりと輪を描いて、お月様。
もう一頭の竜も真似して、くるりと輪を描いて、お月様。
二頭の竜は、仲良しこよし。
一頭がくるりと回れば、もう一頭もくるりと回る。
二頭の竜は、仲良しこよし。
一頭がゆうゆうと空を泳げば、もう一頭も、その後を追いかけてゆうゆうと泳ぐ。
一頭が月の周りを回り始めれば、もう一頭も追いかけて、月の周りを回り始める。
くるくるくるり
くるくるくるり
まんまる満月、くるりと回れば、二頭は、一頭みたいに繋がった。
くるくるくるり
くるくるくるり
不思議、不思議、満月に、何か、映り始めた。
くるくるくるり
くるくるくるり
ウサギかな?
いやいや、不思議、映ったのは、二匹のネコだ。
二頭の竜と、二匹のネコが、仲良く、くるりと輪を描いて、まんまるお月様。
双竜が、月を回れば、不思議、不思議、月が鏡で、映すは、ネコ。
ピカっと光った、満月、お月様。
あれれ、もう、ただのお月様、真黄色のまんまるお月様。
双竜、双猫、どこ行った。
おやおや、鏡を抜け出し、竜に乗って、飛んでった。
猫は、遠くに飛んでった。
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