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読書感想|『禁忌の子』山口未桜
刊行当初からめちゃくちゃ話題になってる山口未桜さんの『禁忌の子』。
読みました!
本屋大賞候補にもなりましたね。
読み始めたその日にノミネート作が発表されたのでタイミングがよかったです。
あらすじ。
救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第34回鮎川哲也賞受賞作。
第34回鮎川哲也賞選考経過、選評=青崎有吾 東川篤哉 麻耶雄嵩
自分そっくりの死体の謎に迫る医療ミステリーです。
作者さんが現役医師ということで、蘇生シーンの緊迫感がダイレクトに伝わってきました。印象的。
「普通」だと思っていた自分出生の、もしかしたら隠されていたかもしれない秘密に迫っていくもどかしさとひりつきが最高。
ページを捲る手が止まりません。
謎が謎を呼ぶ、まさに読者を引き込ませるストーリーです。
山口さんご本人がXで「できれば一気読み」とお勧めされていましたが、もう言われなくとも!って感じでガッツリ一気読みしてしまいました笑
ネタバレをせずに感想を書くので踏み込んでは書きませんが、ラストと主人公たちの決断は、もしかしたら賛否は分かれるかもなーと。
構成ではなく、倫理的に。
“禁忌の子“っていうタイトルの意味を問います。
割と胸糞悪い場面や要素もあるので、胸が締め付けられるというか、他に選択肢がなかったのかって考えてしまうし、だからこそ主人公の選択を「彼らの真摯な選択」だとわたしは受け入れて読み終わりました。
探偵役の城崎のキャラも良かった。
彼の今後を見守りたいです。
それとちょっと気になったところがあって、ラストのシーンで急に三人称視点に変わったのは物語の終幕だからでしょうか。
これは読了済みの人にわたしから質問。
今までずっと地の文は「俺」だったのに突然「武田」になったから視点が変わったのかと思ったのですが、語りは主人公ぽくて若干混乱しました。
俺っていう言葉も登場しますし。
別の人の語りだと思って読んでいたら普通に進むから、出産シーンということもあって「誰(何)!?」と……。
一旦決着がついた物語の時間経過を表す読者との距離なのかな。
考えすぎか。
物語には関係ないですが気になってしまったので。
読めてなかったり見落としていたらすみません。
昨年の10月に刊行されてずっと気になっていたので読めてよかったです。
SNSでこれでもかってくらい流れてきましたよね。
絶対わたしも読もうと思ってました。
期待して手に取って、期待以上でした!
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