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【読書感想】ハラヘリ読書
ご飯が好きです。
食べるのが大好きだし、作っているところを見るのも好きです。
料理系のYouTubeをよく見ます。さくさくっと手際よく料理している様子に憧れるんです。盛り付けも素敵ですし。
読書中に出会う料理の描写も大好き。食べてもないのに「美味しい!」と思えたときに幸せを感じます。
残念なことに自分で作るのは得意ではありません。
下手ではないと断言しておきます。
手際が悪いだけです。見栄っ張り。
先月初めて雑誌「ダ・ヴィンチ」を買いました。
その試し読みのコーナーで出会ったのが、宮田ナノさんの『ハラヘリ読書』(KADOKAWA)です。
本の中に登場する食べものと作家たちの関係を描いたエッセイ漫画。
可愛い絵とクスッと笑えるエピソードが盛りだくさんで、すぐに本編が読みたくなりました。
紹介されている本や作家は多彩です。
森茉莉、内田百閒、森見登美彦、平松洋子、角田光代……。
どの本、どの作家のエピソードを読んでも面白い!
漫画が面白いのも当然ですが、引用されている本が必ず読みたくなるのがすごいです。宮田さんの手腕ですね。
美味しい食べ物、美味しい食べ方。
さらには失敗料理まで。
宮田さんの「食べ物」書籍に関する造詣の深さに圧倒されます。
いろんな本を渡り歩いていく感覚。
部屋で読んでいるのに、なんだかいろんな時代、いろんな国の料理を食べ歩きをしているようでした。
ご自身の食べ物との体験も楽しいので二重に面白いですね。
食事は生活から切り離すことのできない根幹の部分です。
その基盤の楽しみを鮮やかに書き起こしていると思います。
30冊以上もの本が紹介されていて、どれも美味しい本ばかりでした。
メモ代わりにわたしが飛び抜けて読みたいと思った本でも書いておきましょうか。一部ですがこのような本が登場します。
・石井好子『パリ仕込みお料理ノート』
・内田百閒『御馳走帖』
・堀井和子『早起きのブレックファースト』
・三島由紀夫『女神』
・水上勉『土を喰う日々―わが精進十二ヶ月―』
・村上春樹『村上ラヂオ』
・群ようこ『トラブルクッキング』
思わず「おかわり」が欲しくなる。
分厚くしっかりとした本でしたが、もっとたくさん読みたかったです。
『ハラヘリ読書』の続きが出るまでに、今回この本で出会うことのできた本を読もうと思います。
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