『ゆるキャン△』チームに見る、ダイバーシティ&インクルージョンの理想の姿
『ゆるキャン△』が好きです。
『ゆるキャン△』とは「あfろ」先生が描くコミック、アニメ、ドラマ作品。僕がワーケーションオフィスを構える三ヶ日(浜松市)も舞台の一つになっています。
僕の専門領域である、人材開発、組織開発の有識者にも『ゆるキャン△』ファンは少なくありません。
昨年(2022年)は法政大学教授 石山恒貴先生、関西大学教授 松下慶太先生(ともに『ゆるキャン△』ファン)が三ヶ日ワーケーションオフィスにお越しになり、『ゆるキャン△』のロケ地を存分に楽しみつつ、人材開発、組織開発、地域開発をテーマにしたトークライブに花を咲かせました。
カゴメのCHO(最高人事責任者)の有沢正人さんも、『ゆるキャン△』の大ファンとのこと。年末、オンラインミーティングで有沢さんと『ゆるキャン△』話でかなり盛り上がりましたが、有沢さんとも近いうちに三ヶ日でご一緒出来たらと思っています。
さて、僕がなぜ『ゆるキャン△』を気に入っているか。ひいては、この作品が先進的な人材開発、組織開発の専門家や実践者の人たちの心を掴むか。それは、『ゆるキャン△』におけるチームのあり方が大きいのではないかと僕は考えます。
一行で表現するなら、
「メンバー全員がビジョンに共感しつつ、各自の関わり方や楽しみ方が尊重されているチーム(コミュニティ)」
それが『ゆるキャン△』の世界で体現されているのです。
以下は僕がすごく共感する、『ゆるキャン△』チームの特徴です。
同調圧力的な組織カルチャー、同質性の高い人たちの暗黙の馴れ合い組織カルチャー、厳しい上下関係で統制を図ろうとする組織カルチャーとは一線を画す、「相互リスペクト」がありながら調和のとれたチームの姿が『ゆるキャン△』で描かれているのです。
キャンプを楽しむ。そのビジョンに共感する仲間が集まり、でも楽しみ方は人それぞれ。
僕のような、同調圧力を大の苦手とする人間はなおのこと『ゆるキャン△』的なチーム/コミュニティに心惹かれるのかもしれません。
僕は昔から集団で行動するのがどうも不得意でした。
社会人になりたての頃(1998年)のエピソードを一つ。
職場での突発の飲み会の日に、優先したいプライベートな先約があり途中退出を申し出たことがありました。最初から欠席すればよかったのかもしれませんが、新人だし少しでも顔を出しておいたほうが良かろうと思い、1時間だけ参加して帰ることに。
ところが帰ろうとした瞬間、先輩たちから非難ごうごう。
「途中で帰るとは何事だ」
「おかしいだろう」
え?えええ?何で? 最後までいなければアウトなんですか?
「飲みの場には最後まで付き合うべき」
「若手は最後までいるべき」
その会社?職場?には、当時はそんな暗黙のルールというか、同調圧力があったようです。僕はまるでそのカルチャーを受け入れられませんでした。
(そもそも僕は、変わり映えのしない同じメンバーで、遅くまでダラダラ飲んだくれる行為は時間とお金の無駄だとしか思っていない人間なので、その意味でもまるで共感できませんでした)
そういう慣習を理不尽に思っている僕からすれば、「マジ意味わかんない」だったのですが(その日も毅然と帰りました)、どうやら社会人になるとはそういう組織の理不尽なルールに合わせる意味が当時は大きかったらしいです。
当時、僕は速攻で社会人やめたくなりました(苦笑)
その後、年次を重ねてからも
・睡眠削るとマジつらいので途中退出
・混雑が絶対嫌なので、ホームライナー(全席指定列車)の時間にあわせて退出
・クルマや自転車で移動したいから、自分はノンアルコールで参加
など、自分の心地よいスタイルで適度に飲み会に参加していましたが、組織や人によっては「空気読めないヤツ」「風変わりなヤツ」と思われていたことでしょう。
きっと「ゆるキャン△」のチームなら、「おお、気をつけて帰れよ!」って笑顔で送り出してくれることでしょう。
なんて言うかな、目指す世界は同じ。それでいて、メンバー個々人の自由度と、裁量と、自律性が許容されている。そんなやさしい世界が「ゆるキャン△」にはあるんですよね。
そして、世の中で言われるダイバーシティ&インクルージョンってそういうことなんじゃないかな。同じ世界観に共感する人が受け入れられる。ただし、関わり方は人それぞれでいい。
そんな世界を僕も創っていきたいと思い、2023年も暑苦しく騒ぎまくる所存です。
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