近くの家のキンモクセイ
朝 窓を開ける おかあさんの
お化粧品みたいな香りが
待ちかまえていたように
するり 部屋へと入りこんでくる
近くの家のキンモクセイ
すこしずつ 寒さへの備えを
はじめなきゃあいけないよ
そう わたしに教えてくれる
毎年 毎年 ありがとう
いやあ どうってことないさ
いつくらいまで いるつもり?
さあ どうかねえ
言えないと困るから
先に言っておくね
来年も よろしくね
ああ わかってるとも
病気にならないように
気をつけてね
そっちも 風邪なんて
ひかないようにな
うん ありがとう
じゃあ またな
またね