アタリハズレ
ときどき、入っていた
郵便ポストに入っていた
アイスの棒が入っていた
ハズレの、アイスの棒が入っていた
誰の仕業か
わたしは、知っている
おんなじクラスの、アイツだ
目的は、わかんない
ヘンな嫌がらせだな
まったく、まったく
八月のその日も
アイスの棒が入っていた
けど、それは、アタリ、だった
その日は、お姉ちゃんの誕生日だった
ふーん、そうなんだ
お姉ちゃんのほうなんだ
わたしじゃないんだ
ふーん、そっか、そっか
アタリの棒は、わたしが使った
アイスの味は、覚えていない
少し泣いちゃってたのは
忘れてしまいたい思い出だ
忘れてしまいたいっていうのに
どうしようもなく、いまでも、覚えている