♯17 デジタルシティズンシップ教育
17回目の投稿となりました、天治郎です。本稿の要旨は、以下の通りです。
デジタルシティズンシップ教育を通して、「自分自身で、デジタル世界での言動をコントロールしていく方法を身に付ける」ことが大切です。「個別最適な学び」や「1人1台端末の文房具化」にも繋がってくることです。だから、「指示したこと以外は使ってはいけない」、「〇〇はしてはいけない」というメッセージは逆効果になります。「トライ&エラー」を、子どもと共に繰り返していくしかありません。
GIGA3年度となり。1人1台端末の持ち帰りが多くの学校で行われていることでしょう。私は毎年学級通信を通して、「1日5分のタイピング練習」を保護者の皆様に薦めています。というのも、私は前任校で先進的に端末の持ち帰りを行っており、そこで得られた知見の1つとして、「端末持ち帰りに伴うタイピング力向上の加速」があったからです。もちろんタイピングをしたくなる様々なしかけを施した上でですが…。
一方で、学校から「端末使用のルール」を提示したものの、これが子どもにとって自分事にならなければ、ルールは形骸化してしまいます。そこで、「〇〇家のタブレット型端末活用のオリジナルルール作り」もお願いしました。「目的」、「時間」、「使用場所」、「その他」を項目として、子どもと話し合って家庭でのルールを決めてもらうというものです。端末の持ち帰りは、子どもにとっても、保護者にとっても、教員にとっても、メリット・デメリット両面があります。しっかり家庭と連携を図っていきたいですね。
さて、最近ICTを前向きに活用する知恵として、「デジタルシティズンシップ教育」が注目されていることは、御存じの方も多いかと思います。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授豊福晋平氏によると、
とのことです。
そもそも「デジタルシティズンシップ」は、1990年代初期にアメリカで誕生し、教師に多くのテクノロジーが導入されるようになるのに合わせて発展したそうです。鳥取県情報モラルエデュケーターであり、国際大学GLOCOM客員研究員である今度珠美氏によると、「デジタルシティズンシップ」には、日本の情報モラル教育に足りなかった下記のような視点があるとのことです。
また、「情報モラル」と「デジタルシティズンシップ」の違いについて、以下のように述べています。
これらの示唆から考えられることとしては、「自分自身で、デジタル世界での言動をコントロールしていく方法を身に付ける」ということでしょう。「個別最適な学び」や「1人1台端末の文房具化」にも繋がってくることです。だから、「指示したこと以外は使ってはいけない」、「〇〇はしてはいけない」というメッセージは逆効果になります。「トライ&エラー」を、子どもと共に繰り返していくしかありません。冒頭の話にも繋がりますが、家庭との連携は欠かせなくなります。とはいえ、学年や発達段階等にもより、どのように手立てを講じていくかは違ってくると思います。
【引用・参考文献】
豊福晋平(2021).ここから3年が勝負、1人1台端末「日常化」のコツカギは学校のコミュニケーションのデジタル化. https://toyokeizai.net/articles/-/443458
坂本旬・山脇岳志(2022).メディアリテラシー 吟味思考を育む.株式会社時事通信社.
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