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日本にしかない「中華料理」

今回は「日本語教師あるある」「異文化交流あるある」のお話です。

日本語教師をやっていて「よかった!」と思うことはたくさんありますが
一番よかったと思えるのは「外国人とたくさん話せること」です。
当たり前といえば当たり前なのですが。

日本語教師になって10年と少し経ち、これまでに1000人以上の外国人と話をしてきて、知らなかった世界のことを色々と教えてもらってきました。
これを最初から書き留めておけば今頃は立派な本として出版できていたかもしれません(笑)

その中でも頻繁に話題になるのが「中国にはない中華料理」の話です。
この話題は中国に限らずなんですが、ちょうど先日も学生とこの話になりました。

「先生~!なんで日本の担々麺には胡麻ドレッシングみたいなのが入ってるんですか?」

と、授業中に唐突に声を上げたTさん。
このクラスは全員が中国人のクラスなので、皆Tさんの発言に同意していました。

確かに日本の担々麺といえば胡麻のスープにラー油が浮いているラーメンですよね。
中国では担々麺といえば澄んだスープに辛い油を浮かせたものが多いようです。
地域によってはスープではなくあえた麺だったり。

そこから、中国で見たこと食べたこともない日本の中華料理の話になりました。

・天津飯、天津麺
天津から来た人が必ず言うのが「天津にこんな料理はない!」
でも大抵の人が「食べてみたらとても美味しかった」と言います。
天津飯は日本発祥というのが明らかだそうですね。

ところで天津飯って最近あまり見かけない気がするのですが、気のせいでしょうか。

・杏仁豆腐
杏仁豆腐は中国にもあるけれど、古い時代の薬膳として、というのを
学生から教えてもらったことがあります。
日本の杏仁豆腐のように甘いものではない、とも。
食事のデザートとして出てくるのを見て驚いた、と言う人も多いです。

・天津甘栗
これは料理とは言わないと思いますが、
「日本の中華街に行ったら謎の栗がたくさん売られていて驚いた」というのをよく耳にします。
実はこれも日本発祥で、更には天津は栗の産地ではないそうで
正確には天津港から出荷された栗、だそうです。

・ザーサイ(搾菜)
ザーサイ自体は中国発祥ですが、
日本のようにスライスしたり切ったりしてそのまま食べることはあまりなく
炒め物やスープに入れるなどするのが一般的、だそうです。
日本の場合は「桃屋」の影響が多いのでしょうか。

中国では地域経済の指数を「ザーサイ指数」と呼び、
ザーサイの消費量を景気情勢の判断材料としている、というのも学生から聞いた話です。

個人的にはザーサイを具にして、ジャスミン茶(または雲南茶)をご飯にかけて食べる
「ザーサイ茶漬け」が好きでよく食べます。


一言で中国と言ってもとても広い国。
文化も料理も地域によって異なります。
Tさんが見たことがない料理を、Kさんは毎日食べていた、という可能性もあります。
今回ここに挙げたものも、中国で食べられているものもあるかもしれない、ということを
ご理解いただければと思います。

外国人と関わっていると、こういう話は尽きません。
(これこそが私の宝物だと思っています。)

皆さんが知っているお話、ぜひ教えてください!

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