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眠れない夜と雨の日には…

住んでいる地域は今週末、お祭りだった。
昨夜は神社の屋台を食べ歩き、
今日はお神輿をかつぐ人々を
部屋の窓から見ていた。

小学生の頃は子ども神輿をかついで、
休憩の度にお菓子をもらって、
最後に銭湯の無料券をもらい、
夜、友達とお風呂屋さんに行くのが楽しみだった。

最近は参加するほどでもないけれど、
やっぱりお祭りになるとわくわくする。
そしてお囃子が聞こえてくると、
ついつい窓の外を見てしまう。

娘のチビ子(10歳)は、
神社の屋台には行きたがるけれど、
「お神輿は、かつがないの?」
と聞くと、
「えー、やだー」
と言う。
それに最近では子ども神輿を見かけない。
今の子はお神輿をかつぐなんてこと、
しないのかな。
もっぱら大人たちが楽しんでいる状態だった。

そんなチビ子は今週、
小学生になって初めての林間学校がある。
それがずうっと楽しみだったようで、
今はカウントダウンが始まり、
毎晩「あと何日」と宣言している。

現在、私の地元に戻って来て、
子育てをしているので、
私もその林間学校には小学5年生の時に行った。
もう同じ宿舎ではないだろうけれど、
娘の準備をしながら懐かしく思い出す。

私は初めての林間学校の興奮で眠れなくて、
非常につらい夜を過ごしたのが一番印象的だ。
21時過ぎに消灯だったと思うが、
まわりの友人たちは結構すぐに寝てしまい、
寝息やいびきの大合唱の中、私だけ一人悶々と
時計のカチカチいう音を聞いていた。
昼間は全く聞こえなかったその時計の音が、
夜になるとこんなに大きかったのだと気づき、
何度も寝返りを打ち、
「眠~れない夜と~雨の日には~」
なんて歌が頭の中で何度もリフレインしていた。

そのうち先生が見回りに来て、
懐中電灯で顔を照らされた時だけ、
静かに目を閉じて寝たふりをした。
今考えたら、寝たふりなんかせずに、
「せんせ~い、眠れな~い」
と訴えればよかったな。
なんでそんな時までいい子を演じたのだろう。
結局その大きな音の時計が夜中の1時を指すまで
起きていたのを覚えている。
眠れないまま、
4時間は一人で悶々としていたのだった。

そんなつらい夜もあったが、
帰って来た時は放心状態になるくらい、
楽しかったのを覚えている。
なかなか現実の生活に戻ることができずに、
当時10歳の私は、
この状態をどうにかしようと、
楽しかった思い出をひとつひとつ、
紙に書き出していった。
その頃から私は、頭や心を整理する時、
書くことでなんとか乗り越えて来たんだな…。
そうしてようやく元の生活に戻れたほど、
楽しい思い出となった。

娘もそんな楽しい思い出を
抱えて帰って来るのかな。
楽しく過ごして無事に帰って来ることを願いつつ、
けんかしながら準備をしている毎日だ。

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