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#詩的散文

屋上

屋上

寒空に舞う白紙がきれい
誰かが屋上からばら撒いた
姿は見えない
私も屋上に登りたいのに行けない
階段が閉ざされてしまった
青、青、青を掴む
引き上げてその手で
寂しくしないよあなた

探して

探して

さらさら世界の裏返しに死よ
大いなる手が私を掴んで放つ
ホログラムじゃない壁に触れるかしら
私より先に放り出された母を探している
何万光年いけば辿り着くかしら
飛散していなければ
たった一つの透明なあなた

詩) 数式

詩) 数式

有理数と無理数のように
いつしか発見されるものの中で
膨大な情報が
地球にはまだ隠されている
そんなにも天文学的なものがここにはある
この容れ物に
緻密に設計されたものだなと思う
∞にも種類があるなんて
茜色の空が夕焼けではないことを知っている
僕等の認識できない者達がいるところ
龍の描かれた地図がある
恐らく全ての数式は僕等が宇宙へ還れば思い出すのだろう

詩) ねこ

詩) ねこ


ねむるねむるねむる
ねこのこ
どうして噛むのに付いてくるの
触ると逃げたり逃げなかったり
どうして
鈴はつけないよ可哀想だから
私よりも生きればいいのに
この小さい頭で何を想っているんだろうなあ
あなたの短い生を一緒に居させてくれて
ありがとう

遠い故郷

遠い故郷

空腹の蝉と霜柱は同時には存在しないので
量子もつれには、なれない
ゼロポイントフィールドへの道のりは用意して来ている
この身体になるのに忘却しているだけで
それでもやはり肝心の、生まれた意味は分からないんだ
漫然と生きてる
このままずっと思い出せなくても
最後にはまた帰るね

世界平和のために

世界平和のために

水曜日を振り返らなくていいです

そんないつもいつも、思い出さなくていい写真を出さないでください

仔猫の仕草はなんでも可愛いので

世界が子猫で埋め尽くされればいいのに

特別なギフトはなくても

可愛くて柔らかいもので満たしてみて

嫉妬という概念なんてポイッとしちゃって

自己実現なんて、そんな欲があるからいけないんだ

無くなりますように

人が人の上に立ったような気分にならなくていい

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喧騒を通り過ぎていく僕

喧騒を通り過ぎていく僕

薄氷が連なる
掌が灼けるように密着して取れない
爪の先を雷雨が通る
終わらない音楽の群れを
無視して歩く
今日は雷雨だから
閃光は思い通りに
踵が濡れるのは他が濡れない為だ
兎の皮を被った楽隊は遠く過ぎていく
宿り木もない
意味もない
変わり映えしない景色なのに
今日は雷雨だから
もう少し生きようかと思った

悪夢を見ないために

悪夢を見ないために

君の神がいるタイミングを見失って
僕の手がいつまでも白くならなくて
抜けるような白さの君が羨ましくて
水彩画を描いているよ
湯気のように意識がふわふわと光に向かうけれど
会いたい人は会いに来てくれないし
僕の手は老いていくだけなのだ
獏が死んだら僕の悪夢の行き場がないよ
眠らない夜には君を思い出すから
もう終わりにするからさ
早く迎えに来てと呟くんだ
返事はいつも来ないのだけれど

肉体は遺灰に

肉体は遺灰に

川底の僕を見ているのは既に亡くなったあなた
だったりする?
そこは宇宙の上の上だよね
文字通り切り離されて手も届かないどんな姿かな
僕の記憶の中の
あなたの肉体はもう燃えて無いけれど
あなたの骨格や組織、皮膚の質感
僕を見る瞳
声帯を
なんで燃やしてしまったのだろう
灰になる45分前の頬に触れたよ
この世の身体はこの世限りだ
全部すくって取っておきたかった
触れて
その手で触れて
拍動と血脈を持っ

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魂の旅

魂の旅

真っ白ぬくもりアンモナイトの仲間
魂の行く先と還る道
遠くへ行きすぎて還り道も分からない
反対のベクトルへ向かない
旅に出るとは聞こえがいいけれど
片道切符を持たされたのだ
振り返っても暗闇しかない
私は大いなるものの一部だったのに
羊の綿に包まれた
微睡みで記憶を曖昧にされた
愛は消え心は空洞になった
剥がれ落ちていく
流星のように
私は大いなるものだったのに
小さく小さくなって
自分も分からな

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プラネタリウム

プラネタリウム

光の道が反射して二つ
鏡のように
あれは鏡なのかしら
138億年前の宇宙の果て
辿り着けるかしら
私たちは一瞬で旅をしてきた

光なんて
人間の目だけのもの
それ以上の観測の目を持たない
本当の観測者は外にいるのだから
abc予想のように

寂しい

さみしいねさみしいね
一緒にいる人がいたって、さみしいね
不完全なわたしは埋められないねあなたには
埋められる人は最初から遠くにいたんだっけ

わたしは愛されない

どうしたらいい
見捨てられ不安
私をみんな見ない
わたしは愛されたい
わたしは愛されたい
昔から万人に愛されたいのに
真逆なんだ
お前は要らないんだ
些末な存在なんだ
声が届かず無視され
ただ付いて回るだけの
そしてすがり付くだけの
それはそれは鬱陶しく
邪険にされる存在