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私がキヤノンRFマウントから完全撤退した理由
こんにちは♪Aliceです。
1年半前に私がマウント移行を断行した理由をお話しします。
決してキヤノンに対するネガティヴキャンペーンでは無く、イチ消費者として真正直な気持ちで書いています。
むしろキヤノン社員の方にこそ、読んで頂きたい内容です。
※買ってもいないのに批評だけする機材系YouTuber等とは違い、私はキヤノンRFマウントカメラ・レンズを相当買いました。
1.キヤノンはプロ(業務)用メーカー
①キヤノンとは?
そもそもキヤノンはカメラ専業ではなく、プリンター(複合機)などOA用品が売上の半数以上を占めるメーカーです。
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BtoBを中心とした企業であり、売上に占める一般消費者向け商品の割合はかなり低いです。
よって、イメージング事業(カメラ)についても、報道・メディア等の業務用機材として大変多くの企業とタッグを組んでおり、更にフリーランスカメラマンにもCPS(キヤノン・プロフェッショナル・サービス)契約があり、手厚くフォローします。
②キヤノンの業務用一眼カメラのシェアは?
競馬場でも、中で撮影している報道カメラマンの約9割はキヤノン機を使用しています。
オリンピックなど、報道陣の姿が映る機会が多いスポーツ大会でも白い大砲レンズがズラリと並んでいますし、身近な所ではJリーグでもキヤノン:ニコン:ソニー比率は7.5:2:0.5くらいに思えます。
それだけ、プロの業務用カメラとしてはニーズがあり、CPS登録カメラマンが多いという事です。
③プロはどのカメラを使用する?
現行機種では下記3(4)機種です。
EOS 1D X MarkⅢ
EOS R3
EOS R5(MarkⅡはまだ発売直後)
逆に言えば、上記機種以外を報道のプロカメラマンが業務として使うことは、まず有り得ません。
(※写真家アーティストは別の話です。7D MarkⅡが現役だった頃はルーク・オザワ氏が撮る航空写真に憧れたものです)
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この後1DX MarkⅡも購入した
④プロ用以外のキヤノン機は?
カメラに詳しい方には周知の事実かと思いますが、キヤノンのラインナップにおいて、プロ用とアマチュア・ビギナー向けでは天と地の差があります。
操作性・耐久性・AF精度・ISO高感度耐性など、挙げればキリがありませんが…。
アマチュア・ビギナー向け機種は、『ワザと性能を低下させている』ことがあからさまに伝わって来てしまいます。
ソニーのような、下位機種が下剋上するような事は一切ありません。
これは、キヤノン機でステップアップして来た方は皆さん実感していると思います。
言うなればプロ用を本物の龍だとすると、アマチュア・ビギナー向けは『龍の鱗が貼ってあります』程度だと思います。
『アマチュア・ビギナーにはこの程度で充分でしょ。』という、メーカー側の意図を商品企画から感じます。
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当時は開放F値の暗さに驚いた
⑤キヤノンのスタンス
要するに、BtoBビジネスを主とするキヤノンにとって、アマチュア・ビギナー向けカメラへの情熱は薄いと思います。
あくまで『我々はプロフェッショナル向けプロダクトのメーカーなのだ。』というスタンスを、非常に強く感じます。
2.RFレンズが高すぎる!
①私の買ったRFレンズ
皆様、RFレンズの価格をどう思いますか?
私は高すぎると思います。
性能が価格に見合っておらず、購買意欲が沸きません。
(唯一、RF800mm F11 IS STMという特殊な単焦点レンズだけはコストパフォーマンスを感じましたが…。)
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晴れの日の野鳥撮影には良かった
物価高騰や円安の影響を受けて、各カメラメーカーが値上げを断行していますが、キヤノンRFレンズはその以前から高すぎました。
ただし、2018年のRFマウント登場時から全て高かった訳ではありません。
RF35mm F1.8 IS STM→7万円弱
RF24-105mm F4L IS USM→12万円弱
当時はこれくらいで新品が買えました。
まぁ、妥当な価格でした。
だから、EFマウントからRFへと素直に移行する方も多かったと思います。
RF70-200mm F4L IS USMが出た時も、飲み物の350mml缶のようなサイズがセンセーショナルに感じたので、『19万円はちょっと高いな』と思いながらも買いました。
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軽量コンパクトでも写りは素晴らしい!
EOS R7との組み合わせで動画機としても活躍してくれました。
軽いボディとレンズで望遠320mm相当までカバーしてくれるのは便利でした。
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RF24-240mm F4-6.3 IS USMも、当時は11万円程度でしたので、開放F値もそこまで暗くないし純正の高倍率ズームとしては悪くないと思い買いました。
Lレンズ以外でAF駆動がUSMなのも珍しかったです。
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400mm近い望遠に相当する
ですが、やはりそこはキヤノン…Lレンズではないので差別化されています。
中央部の解像度はズーム全域で高いものの、色乗りが悪くボケもザワザワと汚く、これで撮るのは被写体が可哀想と感じたので、すぐに手放しました。
RF24mm F1.8 MACRO IS STMも買いました。
広角レンズで手振れ補正付きなのが良いと思ったからです。
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周辺の画質が悪すぎた
この辺りから価格設定が割高なレンズが増えて来ました。
RF24mm F1.8が約8万円もしました。
(もちろんレンズフードは別売りです)
そして、これも非Lレンズ…周辺部の画質が悪く風景や星空の撮影には使い物になりませんでした。
あとAF駆動がSTMのRFレンズは突然あらぬ方向にAFが迷い出す傾向にあり、この24mmも同じでした。
やはりLレンズでないと駄目なのか…と思い直した私はEFレンズを買い戻し始めました。
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一眼レフではピント合わせが難しかった
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一眼レフでは手ブレにシビアだった
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今でも人気のレンズ
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②最近のRFレンズの価格
つい最近、RF70-200mm F2.8の新型が発表されました。
まさかの色違い!白と黒をラインナップしてくるとは驚きました。
しかし、それより驚いたのは価格です。
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70-200mm F2.8が50万円??
何かの間違いかと二度見した程です。
キヤノンオンラインショップでもクーポンで10%引きになるので、結局は量販店最安値と同じ45万円弱にはなりますが、とは言え高すぎます。
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と思ったらRF24-105mm F2.8L IS USM Zも同じ価格だったのですね…。
要するに、CPS会員のプロはこの2本を買って90万円払いなさい、という事ですね。
EOS R1も予約している人は、トータル200万円の支払いという事になります。
③こんな高いレンズは誰に売るため?
もちろん新聞・報道などメディア企業やCPS会員のプロに売るための商品企画であり値付けなので、アマチュアなど眼中にないと思います。
『アマチュア?買いたきゃ勝手に買えば?』というスタンスは相変わらずです。
領収書を切って経費にする人達のための機材なので、アマチュアが買える価格に、と言う発想はありません。
ですが、EF時代の70-200mm F2.8はIS Ⅱ型とⅢ型には蛍石レンズが奢られていたし、外装も金属で丈夫でした。
それがRFになって、コストの高い蛍石レンズはスーパーUDレンズに格下げ、外装もプラスチックを多用した安っぽいものに…。
それでもまだ、RF70-200mm F2.8L IS USMの登場当初は30万円で買えました。
それが、インナーズーム方式に戻してエクステンダー(テレコンバーター)に対応したら50万円ですか??
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現在キヤノンはイメージング事業の売上が落ちており、プロの業務用カメラ・レンズを値上げすることでBtoBでの売上を巻き返そうとしているのでしょうか?
業務用機材であれば、提携企業から入れ替え需要が常にあり、仕事の道具なので必要不可欠でもあり、値上げされても社内で予算を通して買うしかない訳です。
よって、アマチュアが50万円も出して新型RF70-200mmを買う意義は見出せません。
④アマチュア向け新商品か?
RF28-70mm F2.8 IS STMという、開放F2.8通しの標準ズームレンズが新発売されました。
Lレンズでは無いし、AF駆動もSTMなので、さそがしお手頃価格で出してくるのだろう、と思いきや…
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驚きの19万円弱という値付けでした。
Lレンズでは無い、しかも広角端が24mmではなく28mm始まりの標準ズームレンズは、どう見てもアマチュア向け商品企画です。
(プロは普通にRF24-70mm F2.8L IS USMを使います。)
価格を知る前に現物を見た際に、11〜12万円かな?と思いました。
むしろ、アマチュア向けにもなかなか良い商品を出して来たではないか、とすら思いました。
価格を見るまでは…。
アマチュア向けの、明らかに格下の標準ズームレンズが実売17万円は高すぎると思います。
SIGMA28-70mm F2.8 DG DN Contemporaryは9万円以下で買えます。
3.私がキヤノンRFマウントから完全撤退した理由
一番の理由は、レンズが高すぎるからです。
この価格では必要なレンズを揃えられません。
ボディもEOS R6 MarkⅡが新発売された当初は40万円弱で、高すぎると思いましたが、今では他社もカメラの価格が底上げされてしまい、キヤノンだけが高いとは思わなくなりました。
カメラ初心者の方から、キヤノンで買い替えるなら何を買ったら良いか?と相談される事が大変多いのですが、EOS R10は勧められても、RFレンズはどれも高すぎて勧められない、というジレンマがあります。
サードパーティにRFマウント開発を制限した事で、カメラへの初期投資を出来る限り低く抑えたい人への門戸も閉じてしまったと思います。
結果的に、私のように多くのユーザーがニコンやソニーに流れてしまい、キヤノンのイメージング事業は低迷し、売上を巻き返すために値上げという悪循環に陥っています。
何度も書いた通りキヤノンはBtoBビジネスの企業ですから、個人消費者の売上が減少しても全体的な影響はごく僅かなものでしょう。
ですが、これ以上『キヤノンのカメラは高い』という印象を世間に持たれてしまうのもリスクがあると思います。
ステークホルダーが黙っていないでしょう。
EOS 1シリーズなどはカメラの性能はズバ抜けて素晴らしいので、王者キヤノンの輝きを取り戻して欲しいものです。
長文になりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また次の記事でお会い出来ますように。
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オールドレンズ遊びに活用しました
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