2025年、楽しみなこと
とくに達成したい目標とかはないのですが、楽しみにしていることを5つくらい書いてみようと思います。
編集者さんとエッセイ本を書きつづけること
『ふつうのマルチリンガル』(Alice's Adventures in Multilingual Japan)という多言語エッセイ本を書いています。かつて学者デビューを支えてくださった編集者さんと縁あって再会し、依頼で書き始めました。わたしは日本生まれ日本育ち、しかし母親から身体的・情緒的虐待があり、日本語(母語)以外の世界に逃げることよって生き延びてきました。さいしょは米語、それから西語を経て、フィリピン諸語へ。これらの言語を使いながら、学問し、恋愛&家族し、教育し、友人を得て、生き延びてきたのです。言葉はわたしにとっては命綱でした。これらの経験にもとづいて「フィクション」を2027年ごろに出版をめどに楽しく書いていきます。ドラフトはすべて、ハーバードの研究所がワーキングペーパーとして刊行してくれるので、それも楽しみです。3ヶ月に2章くらいのペースでゆるゆると楽しく。
心理士さんとカウンセリングをつづけること
臨床心理士・公認心理師さんと週1回50分の心理面接を続けてきました。2018年から始めて、いま255回目くらい、気がつけば7年目に突入しようとしています。心理士さんは、博士号をもち、関心は精神分析と医療人類学です。心理士さんが雑誌に連載していたエッセイを読んで、「この人なら、わたしにもうがんばらなくていいと言ってくれそう」と感じて通い始めました。実際にはセラピーなのでハードです。長い間、母親に支配され、その延長上でまわりの人たちにも支配され、「自分がいない」(こころが死んでいる)状態で、「社会的には成功」(偽りの自己)してきたという呪いを緩める作業を一緒にやっています。自己変容できると思ってくれる人がいるのは心強い。面接頻度は4月から週2回になります。いつか回復できたら、臨床傾聴士の勉強をしてみたいなあ (セラピストに影響受けすぎ笑!)
デュオさんとスペイン語勉強をつづけること
昨年、Duolingo(英語版)でスペイン語を再開しました。ずっと昔、受験生だったとき、上智大学外国語学部のイスパニア語学科の大学生になることが憧れだったのですが、摂食障害がひどく、早く楽になりたくて別の専攻で別の私大に指定校推薦で進学してしまいました。その後、米国の大学に留学し、スペイン語を専攻したのですが、ひどい事件にあって帰国するはめに。大学院生のときにメキシコ研究をめざすも超優秀なゼミ仲間を前にすごすごと撤退。とまあ、スペイン語に恋焦がれてきたにもかかわらず、つらい思い出ばかりで、触れることを回避してきました。それが、トラウマ治療が進んで、スペイン語こわくない! スペイン語好きだった!と思えるようになり、いまは定年退職したらセルバンテスに通いたいです。スペイン語で仕事することはないだろうし、恋もしないだろうし、資格をとることもないだろうし、気負わなくていい。ただやりたいからやるだけって、すごく嬉しい。
友人たちとオンライン読書会をつづけること
地域研究系の読書会(使用言語:英語)、哲学系の読書会(同:日本語)をそれぞれ週1回1時間、こじんまりとした、心理的に安全だとわたしが感じられる仲間(参加者の国籍:日本、韓国、フィリピン)と開催しています。全員が博士号をもつ研究者で、日常的には非常に競争的な環境におかれているため、こうした研究会では、むしろリラックスして、お互いの生存確認というか、よくがんばってるねーといたわりあうことを目的としています。通称「準備のいらない読書会」と呼んでおり、予習復習なし、集まったら軽く近況報告して、一段落ずつ音読します。わからない箇所があったらわからないねー、なんにゃこりゃという箇所があったらなんにゃこりゃ? と一緒に立ち止まります。これらとは別に短期集中で浴びるように文献を読んで議論するブートキャンプ的な読書会もたまーに楽しみます。
自分自身と仲良くなる日常生活をおくること
わたしは自分が何をしたいのか、さっぱりわからないまま、生きてきました。日本社会のマジョリティから評価されるような学歴、威信のある職業、十分な収入に恵まれてしまったため、一見したところ「何の問題もない人、なんならエリート」です。それなのに生きるのがしんどい、消えてしまいたいってずっと思っているなんて「贅沢な悩み」すぎるだろう、実存の悩みとかなかったことにして、なんとか死ぬまで生き抜かなくちゃ…….と思ってきたのですが、ここ10年くらい、治療を受けるようになって「ああ、わたし、生育家庭での虐待がひどすぎてめちゃくちゃに壊れてるんだな、<わたし>死んでたんだな」と自覚するようになりました。<わたし>が生命をとりかえせるように、自分自身と仲良くなれるように、毎日を送りたいです。たとえば、自分のために料理するとか、掃除するとか、楽しみたいです。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。