WSET体験記 in メルボルン!⑨「勉強法」
はじめに
こんにちは!オーストラリア・メルボルン在住の「ありたす」です。何かの縁で初めて私のnote記事を読んでくださっている方は初めまして😊
2022年4月末から渡豪し、こちらでWSET Level 3(以下WSET L3)を受験しました。バッジと証書はまだ届いておりませんが、チューターよりPass with Distinction(日本での優)で合格した旨の連絡がつい先日あり、早速記事を書いております。
私も受験前にはWSET先輩方のブログを読んだりして様々な勉強方法を模索しました。ただ、振り返ってみると自己流になってたなと思います。なので「勉強法」というより、ありたすはこんな勉強してましたよ~っというご紹介と思っていただければ幸いです🍀(非常に長いです💦)
簡単な自己紹介
出身:東京(とオーストラリアにルーツ🦘)
年代:30代
仕事:バイオベンチャーで事務職(休職中)
ワイン関係の資格:
2020年ワインエキスパート取得
2021年WSET Level 2(日)取得 Pass with Distinction
2022年WSET Level 3(英)取得 Pass with Distinction
詳しくはこちらから↓↓
なぜWSETを英語で、オーストラリアで?
ワインエキスパート勉強中に次は必ずWSETに進もうと考えていました。
私にはオーストラリア・タスマニアにルーツがあり、父親と一緒に現地のワイナリー巡りをすることが毎回オーストラリアへ帰った時の楽しみだったので、イギリス発祥のWSETが役立つと思ったからです。
(WSETを知らない生産者さんがたくさんいるのに気づいたのはオースに来てからのこと笑)
当初はWSET L3を日本で、日本語で受験することを想定し、WSET L2は日本語で受けておりました。しかし、L2を受講していた頃、仕事で色々とあり勉強が手につかないどころかワインすら飲む気分にならないほど落ち込んでおりました。
リフレッシュするために1人旅で出向いた福島の田園風景を眺めていたら、ふと「オーストラリア」「WSET」というキーワードが浮かんできたのです。今オーストラリアに行かないと、未来の自分が後悔するって思いました。そこから実際にメルボルンに引っ越すまで9か月を要しましたが、今でも最良の決断だったと思っています。
「勉強法」のその前に
前置きが長くなりすみません、時間の余裕がない方も多いと思うので、「勉強法」まで気軽に飛ばして読んでくださいね!
試験に直結する勉強法はもちろん大事なのですが、なぜ試験を受けるのか、なぜ良いグレードで合格したいのかなどマインドセットなども今回試験を受けて非常に重要だったなと感じました。なのでこの辺りについてお話しさせてください。
マインドセット
上記の問いを私に当てはめてみると・・・
・なぜ試験を受けるのか?
→ワイナリー巡りで役立たせたい、もっとワインを知りたい、いつかワインの道に進みたい
・なぜ良いグレードで合格したいのか?
→オーストラリアまで来てるからには良いグレードで合格しなきゃいけない、応援してくれている人たちに良い報告がしたい、「もっと出来たはず」と後悔したくない
既に本記事2回目の登場です「後悔」!
私が「もう勉強したくないよ~😿」って時に奮い立たせる言葉は「後悔したくない」でした。もう執念レベルです。それぐらい自分にとってのパワーワードなんです。
パブリックコミットメント
「周りに自分の目標を宣言すること」ってなんて言うんだろうな~っと検索したら出てきたワードです!元から知ってたわけじゃないです笑
実はこの方法で2020年ワインエキスパートに合格しました。その際は10名くらいにしか宣言はしていなかったと思います。打って変わって今回のWSET L3は、自分の周りにいるもうほぼ全員ですよね!だってオーストラリアに引っ越すんだもん、何をしに行くかもれなく聞かれます🤣なんならnoteも始めていたので、お会いしたことがない方々にまでコミットメントしてた!
なので、ものすごーーーーーいプレッシャーでした。コミットメントするからにはどんな結果でも報告しなきゃいけないですしね。
因みにパブリックではなく、自分自身に宣言すること(抱負です笑)もしています。年始に今年の目標10個を掲げ、達成したらチェックを付けて、達成しなかったら翌年に回すということをここ3年くらいやっています。大きな目標は2個くらいにして、残りを小・中な目標にすると達成感もあり、振り返った時に充実感が得られるのでお勧めです🌟
SNSを活用
前述のパブリックコミットメントなのですが、検索すると意外とネガティブな情報が多いようです😭
(宣言しただけで満足してしまう→代表例:ダイエット)
一方、パブリックコミットメントした後にSNSで進捗を報告するのは効果的という情報も見かけました!私の場合はこれがnote(ブログ)だったのだと思います。SNSを活用することのメリットは恐らく皆さん想像がつくと思うので詳しくは書きません。
noteについてはこちら↓↓
ストレス緩和方法
授業もテキストもものすごい情報量です。「インプットしたものをアウトプットすることで知識が定着する」ということは多くの方が今まで実感されてきたと思います。
授業を受けて気付いたのが、試験内容以外に授業の感想やプレッシャーなど様々な感情が沸いてくるんです。ある種の強いエネルギー(良い意味でも悪いでもストレス?)だと私は思っているのですが、試験問題を解くだけではこのモヤモヤを発散することが出来ません。これらをどう処理するかが試験中のストレスを緩和するヒントになります。
具体的なストレス緩和例でいうと
① 人に話す
② 日記を書く(SNSも効果的)
③ 同じ量のエネルギーを仕事にぶつける
④ 同じ量のエネルギーで運動する(特に筋トレ)
⑤ ワインを飲む!
とかでしょうか・・・好きな音楽を聴くのも良いかもしれません。
私は③以外やってました。ワインを飲むに関してはもう一石二鳥です🍷
特にお勧めなのは②(コミットメントの観点からも)と④です。筋トレと勉強は最強の組み合わせだと思っています。これ以上説明すると引かれちゃいそうなので、詳しくは下記をご覧ください笑
「勉強法」
長くてすみません、本題に入ります!
WSET授業概要
主催:Prince Wine Store
講座:WSET Level 3
講師:Meg Brodtmann, MW、他3名
期間:8月1日~9月26日(全10回:うち2回は終日クラス)
試験:10月3日
授業の雰囲気についてはこちら↓↓(①~⑥まであります)
日本から持って行った物
・ADV JSA試験2020テキスト
・WSET L2(日・英)テキスト
・WSET L3(日)テキスト
・蛍光ペンなどお気に入りの筆記用具(大きい付箋だけオースで購入)
勉強の過程(約4か月)
6月:WSET L2(英)テキストで分からない&雰囲気でのみ理解している単語の洗い出し、L2を日本語で受講した際の重要なポイントのマーク&書き写し
6月~7月:WSET L3(英)テキストを受け取ったのが6月下旬だったのでそこから下読みと単語の洗い出し。この頃は毎日勉強していたわけではないので、授業スタートまでに全章の単語の洗い出しは完了しませんでした💦
8月(試験2か月前):授業スタート
下記の予習→授業→復習を繰り返しました。
予習:テキスト読み込み、Wine With Jimmy動画確認
授業:テキストはほぼ見ず、先生の言っていることとパワポ資料に注力
復習:テキストを蛍光ペンでマーク
※移動時間にはThirtyFiftyとWine With Jimmyの4択問題を解いていました
また授業の後に毎回、授業の感想や自身の課題など日記のようなものをnoteとは別に手書きで残していました。こちらは恥ずかしいので非公開!
9月前半(試験1か月前):
予習→授業→復習のルーティンに加え、オンライン教材のShort Answer問題を解き始めました。まずは問題と答えを書き写すところから始め、途中から実際に解く作業に移行しました。
※英語に不安がある方は更に早い段階から書き始めることをお勧めします。
9月後半(試験2週間前):
予習をどんどん前倒しし、各生産地の特色をStudy Guideの地図に書き込んでまとめていく作業を始めました。私が今回の試験勉強で一番効果的だったなと思ったのがこれです。テキストのポイントが凝縮されているので、今見返してもやって良かったなと思いました。各生産地をまとめ終わる度に、その生産地のShort Answerも解くようにしていました。
10月1日(試験2日前):
とりあえず時間が足りなかった!まだ前述の地図まとめも終わってないタイミングでしたが、Short Answerで必ずどれか出ると言われている下記3つを丸暗記しました。
・シャンパーニュの開け方
・デキャンタージュの仕方
・ワインの保管方法(私はこれが出ました)
また、この頃にはThirtyFiftyとWine With Jimmyに掲載されているShort Answerの9割を一度は解いていました。
10月3日(試験当日):
あえてガッツリ勉強しないようにしました。テキストやまとめたノートを軽く見て、ご飯をしっかり食べ試験に挑みました。テイスティングからのスタート+長丁場なので胃に何か入れておいた方が良いです。
当日の感想はこちら↓↓
オンライン教材
授業では先生がパワポ資料をメインに進めるので、予習がかなりポイントとなりました。テキストを眺める、読み込むだけでは不安だったので、下記オンライン教材を購入しました。
ThirtyFifty:オンライン問題集を販売しているイギリスのワインスクールです。私はExam Practice Questions(£20)とMock Exams(£25)を購入しました。1年間の有効期限があります。
Wine With Jimmy:オンライン教材を提供しているイギリスのワインエデュケーターです。£75ですが、授業動画から本番に近い形式の問題などすべて揃っています。こちらも1年間の有効期限があります。一部Youtubeでも無料で見れるのでぜひご覧ください。
(個人的にはWWJだけでも十分だと思います!)
テイスティング練習
SAT(系統的テイスティング・アプローチ)
意外とSATの用語を暗記するのに苦労しました。暗記というより自分の言葉にできていないと、SATシートなしでテイスティングした際にすんなりと表現が出てこないからです。なので早い段階からSATシートなしで授業のテイスティングに臨めるよう、教材を受け取ったらすぐ暗記を始めるのも良いかもしれません。私はクラスター(分類)ごとにまとめ、部屋の壁に貼り付けていました。
尚、SAT以外の用語も採点者がOKとすれば得点となります。オースの場合だけかもしれませんが、テイスティングの採点は先生(またはスクール担当者)がまず行います。そのため、テイスティングのルールだったりコツに関してはスクールの先生のアドバイスに従った方が無難です。
自主練
授業だけでも相当な数のワインをテイスティングするのですが、SATに書き慣れるためにもテイスティングノートを使って自主練することをお勧めします。Short Answerでも「このワインの特徴を述べよ」的な問題が出るので、そのままテイスティングコメント風に書けば点数が取れます!
私は自宅で16本のテイスティングをしました。(うち2本はドライテイスティング)エチケットを確認したり、生産者のウェブサイトやプロが残しているレビューを見て、ざっくりとした答え合わせをします。
答え合わせをした後は、再度ワインと向き合いnoteにテイスティングコメントを残しました。本数は決して多くはないですが、1本のテイスティングにしっかり時間を費やしたことで、テイスティングコメントに安定感が出たなと感じました。
ワイナリー巡り
8月下旬に父親と3泊4日でビクトリア州内陸にあるヒースコート&ナガンビーレイクスに行ってきました。ヒースコートはテキストにも若干記載がある、少し標高が高いエリアです。このワイナリー巡りがテイスティングの練習、気候や地勢の理解、リフレッシュの一環としてとても良かったです✨
近場にワイナリーがあれば是非、見学などとも合わせて行かれてみてください。授業で習う機械などを目にするととてもテンションが上がります!
この旅行では父親に3本タスマニアワインを持ってきてもらったのと、ヒースコートでテイスティング用のワイン7本を購入して帰りました🍷
戦略!
分析
まず、WSETの試験はテイスティングとセオリー(筆記)の2つのパートに大きく分かれています。
◉テイスティング(30分):ブラインドテイスティング(2種)
◉セオリー(2時間):四択問題(50問)、短い記述式問題(4パート)
合格にはテイスティング・四択問題・記述式問題のそれぞれで55%以上の正解率を獲得しなければなりません。
例)テイスティング正解率60%、セオリー正解率(四択60%、記述50%)
<結果>
テイスティングパート→55%以上のため合格
セオリーパート→記述が55%以下のため不合格
※セオリーパートのみ再試験となります。
また、正解率によって合格のグレードが優・良・可の三段階に分かれています。
戦略(セオリーパート)
マインドセットのくだりでもお話ししましたが、オーストラリアまで来て受験するからには合格だけではなく、良い成績(Pass with Merit以上)を今回の目標として掲げていました。
記述問題が最も厄介&難易度が高いと思ったので、とりあえず四択問題で稼ぐ!というのが私の戦略です。(しんぷる~!笑)テイスティングは中間テストで悪くなかったので、Pass with Meritはいけるかな?となんとなく自信がついてきたところでした。
中間テストについてはこちら↓↓
極端な話にはなりますが、四択問題で100%+記述式で55%をとればセオリーパートの正解率は78%となるのでPass with Meritが可能となります。これが四択問題で100%+記述式で65%をとればセオリーパートの正解率は82%となるのでPass with Distinctionになるんです🙌
※Pass with Distinctionの条件はどちらも65%以上の正解率なので、100%+60%もセオリーパートの正解率は80%にはなりますがPass with Meritのままです。
※また、テイスティングパートとセオリーパートのグレードが異なるとき、最終的なグレードは低いグレードの方になります。
例)テイスティングパート→Pass with Merit
セオリーパート→Pass with Distinction
<結果>
最終的な試験グレード→Pass with Merit
四択問題が終わり次第すぐに記述に行きたい気持ちもあったのですが、ここは確実に点数を重ねたかったので、四択問題を解いた後、問題文や回答文の読み間違い、回答間違いがないか5分ほど見直しました。
戦略(テイスティングパート)
オーストラリアでスクールに通って、使えるなと思った戦略なので基本的にはスクールの先生のアドバイスに従っていただくのが無難です!
コロナ過の真っ只中(2020年)にワインスクールに通い始めたありたすは、ワインテイスティングの際にスピトゥーン(吐器)を使うことを禁止されておりました。つまりはテイスティングの際にワインを吐き出せず、飲みこまなければいけなかったんです💦
私はお酒が強い方なので問題なかったですが、苦労されている方もいらっしゃったのではないかと思います・・・しかしながらこの2年間はスピトゥーンなしにすっかり慣れてしまっていました。
現在の日本のワインスクールはもうスピトゥーンOKなんですかね?どなたか教えていただけると嬉しです😊因みにオーストラリアではスピトゥーンも使い、パーティションなどもない状況で授業を行っていました。(4月から屋内もノーマスクです!)
WSETの試験はまずテイスティングパートからスタート、その後2時間の筆記試験という酷な順番です。本当に変えてほしい・・・
なのでスクールではスピトゥーンを使うことに慣れていただくのと、試験当日は酔いが回らないように事前にご飯を食べ、お水を飲むようにしてください!じゃないと筆記で文章が上手く練れません!(←実体験😐)
また、オースの先生に言われたのが、テイスティングコメントのうち、香りや風味に関しては何個でも書いてよい、SAT以外の用語も書いてよいということです。WSETは減点方式ではありません、またもや極端な話ですが、SATシート記載の用語を全部書いてもOKなんです!(書くスペースと時間があるかは別として!)
例えば、第二(セカンダリー)、第三(ターシャリー)の香りと風味があるか自信がない時にダメ元で書いちゃっても減点にはならないんです!
※あくまで香りと風味に関してです。例えば色についてレモン色~黄金色と回答すると無得点となります。
私の中間テストを丸々載せているので、是非↑のnoteをご確認いただけると分かりやすいと思います!
最後に
いやはや、書きすぎてしまった・・・言葉にすると自分が意外と色々考えながら試験を受けてたことに驚きました!
実はWSETの合格グレードについて勘違いをしていたことが、合格してから分かりました。Pass with Distinctionが正解率85%以上と思ってたんです。「Pass with Merit以上!なんなら全問正解の勢いでやったる~」という意気込みで勉強していました。しかしこの勘違いから試験後には「あれ、合格すらできてないかもという」謎の自信喪失ループに入ってました。
でも結局、自分の勘違いでハードルをさらに上げていたことが、なんだかんだで良かったんだと思います。
なのでこれから受験される方にお伝えしたいのは2点!
①WSETを受ける理由(マインドセット)
②目標を高く持つ
を是非とも実践してほしいと思ってます。
少しでも皆さんの参考になっていますように&心より応援しております!
何かご質問があればお気軽にコメントに残してくださいね🍀
ぜひインスタのフォローもぜひお願いします🥰
アカウント:ali_tas_wine
https://www.instagram.com/ali_tas_wine/
2022年11月30日 ありたす
オースでの受験についてがメインですが、英語での受験を迷われている方はこちらもご覧ください!