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FIREって羨ましいのか?~生きてるだけで丸儲け!

FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取った造語で日本語に直訳すると「経済的な自立」「早期リタイア」という意味になる。若いうちに十分な資産を築いて引退し、引退後は投資収益によって自由に生きていく考え方だ。2008年のリーマンショックを経て米国のミレニアル世代(1981~1996年生まれ)の間で広がった動きである。

日本でもその考え方が知られるようになりFIREを目指す人が増加傾向にある。「早期リタイア=アーリーリタイア」と直訳できるが一般的なアーリーリタイアとは少し異なる。従来の早期リタイアの生活資源は、基本的に貯蓄や退職金。これらを少しずつ取り崩しながら生活していくのが基本だ。人生100年時代と言われるほど長いリタイア後の生活を過ごせるだけの資金を貯蓄と退職金で賄う必要がある。

そのため早期リタイアといっても定年の年齢よりも少し前、50代の人くらいしか実現できないかもしれない。一方、FIREは「投資で得る収益で生きていく」考え方だ。相場の動きで投資資産は増減していく。しかし、資産を運用しながら配当収入や売却益といった運用益で生活するため、資産を取り崩すアーリーリタイアとは異なる。

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著者
THE OWNER 編集部

2008年のリーマンショック…

あの時は悲惨だった。

自律神経失調症が悪化して、職を転々としている時に起こった出来事で、今では考えられないが、ハローワークには長蛇の列。
仕事を探す端末機を利用するのにも何時間か待たなくてはならないし、今では考えられないが、ハローワークに掲載されていた仕事は社会保険未加入が当たり前の様なブラック企業が横行していた。

そんな時に手元に残っていた僅かな株を運用しようとしたが、運用するどころか、恐ろしい程速いスピードで下落していく株価に嫌気がさして、生活費に充てるために大幅な損切せざるを得なかった。

その時は確かに俺も…

『お金に縛られない生活が出来たらなぁ~』
『”働く”って何だろう?』

等とぼんやり思っていた。


今現在、52歳。今年53歳になる。

振り返ってみると、サラリーマンが一番重要な年代と思われる30代、40代を俺は棒に振った。

当然、役職どころか、MAXの年収から一時期は半分に近いところまで下落した。

そりゃ、当然離婚されるわな…😅


だから、俺はつい最近まで自分の事を”社会不適合者”と言っていた。


今の仕事に就いたのが、2年前の春。
転職した途端にコロナ禍が始まった。

当然、満足いく実績は挙げれず、苦悩する日々が続いた。

長い営業経験で、どこ行っても門前払いを食らう経験なんて無かった。
本当に異常事態で、街は人が少なく死んだような日常だった。

今の会社に入った理由はここ10年来している介護業界の仕事であることと、営業職をこれまで持っていなかったが、この度初めて営業部門を持つことになったという点だった。

残り少ないサラリーマン生活で、何か自分が残したいという思いや、俺の経験が活かせたらという思いで面接に行ったら、即採用だった。

そんな厳しい状況でも、以前のように腐って直ぐに辞めなかったのは同時期に入社した二人の二十代の若者の影響が大きいと言っても過言じゃない。

一人は全く同じ日に入社した、同じく営業の女性。
彼女は前職が看護師という経歴を持ち、営業は初経験。
看護学校を出て、直ぐに働いた病院が大きな脳神経外科で、そこで忙しい日々と重圧に耐えられず、
「看護師なんて辞めます!二度と看護師にはなりません!」
と言って前職を辞めたという。

営業経験が無かったことも有り、3日間だけ一緒に同行して回り、基本的なことは彼女に教えた。
その三日間の彼女を見ていたら、兎に角まじめで人の話をよく聞き、現場ですぐにメモを取る。
とは言え、冗談も通じる女性だった。
その後もことある毎に相談に乗っていた。

もう一人は営業職ではないが、俺と二人三脚で仕事をしてきた20代後半の男性。
彼も真面目で素直な性格。(見た目チャラいんだけど…😅)
彼は自分の仕事にプライドを持っていて、向上心が強かった。同じく営業経験は無かったけど、独り立ちした時に分からないことがあれば自分が納得できるまで俺に質問をしてきた。

この自分の娘や息子の様な世代の二人に俺は色んなことを教えられたというか、忘れかけてたものを思い出させてくれたり、仕事に真摯に向き合う姿を見せられてハッとさせられた。

恥ずかしながら、50代のオッサンが、二十代の自分の子供の様な世代の人に教えられた。(実際、女性のお父様は俺と同い年だった…😅)

ずっと、腐っていて自らを”社会不適合者”と言っていた俺が…

『こんなことじゃアカン!』

とこの二人に沢山のことを教えて貰って、奮い立たされたと言っても過言じゃなかった。

勿論、直ぐには仕事が舞い込むことも無く、色んな所から指摘を受けるが、自分の経験を信じて、それをやり通した。

結果、それが正解だったのかどうかは分からないけど、俺が担当してるエリアでは今や人手が足りなくて、同新規の案件をさばききるかがカギとなる位忙しくなり、5月はこの二年で過去最高の依頼を受けた。

実際、去年の年末位から上向き始め、俺が開拓した新規の営業先でも顧客が着実に増え、後発だった俺たちがいつの間にか占有率を塗り替える結果に繋がっている。

その頃から、20代後半の男性が俺に…

「俺たち頑張りましたよね!ホントにやりましたよね!」

って俺に事ある毎に言っていた。

彼が一番俺の言葉を信じて着いて来てくれて、時には俺の無理難題に応えてくれた一番の立役者。

彼無くしてはここまでの成果は挙げれなかったし、それを見た周囲の人間が俺の言葉を信じて努力してくれた成果がこの結果だった。

俺と意見が度々合わず、言い合いになってたことも度々あった30代の上司も今や先人切って、皆が苦労しているところを更に自ら苦労して、それの姿を見た他の人間が「○○さんが頑張っているから、俺も頑張らなきゃ!」とさらに奮起する。

気が付いたら、いつの間にか俺の書いた”絵”が完成に向かっていた…

そしたら、本当に理想のチーム出来た。

『One Team』

正にそんな感じ。

ここの意識改革は凄くて、中々業務上皆で集まることが出来ないから、仕事の連絡は基本グループLINEを活用。ミーティングはZoomを活用するというイマドキな働き方だけど、これだって最初は皆しり込みしていた。

上司とも相談して、上司が直接言うと多分構えちゃうからと、俺が個々にヒヤリングして、グループLINEを活用する意味や、Zoomでのミーティングも

一人一人の率直な意見が大事なんだよ!
そこに新たな発見があるんだから!
間違いなんてない!
何も言わないより、言って問題点ならクローズアップした方が良いし、それを見過ごすことの方が損失が大きいかもしれない。
だから、一人一人が感じること、思うことが大事なんだよ!

って一人一人口説いていったら、いまや皆が必ず意見を出し合うミーティングに様変わりした。

それにミーティングしている時の皆の顔が活き活きしてるし、皆自信をもって意見を言える環境が出来上がった。

それも、堅苦しくないし、時には冗談も言い合える雰囲気。

『俺たちがここのエリアを支えてるんだ!』

そんな意識改革が浸透した。

俺が皆に言っているのは

『俺の仕事は皆の仕事をスムーズに出来るようにする為の裏方』

だから、問題が起きたらすぐに走っていて、頭下げて回るのも厭わない。

時には雑用だって、買って出る。

そういうことを積み重ねて、仕事は成り立ってるし、客先の信頼も勝ち取ったと思っているし、皆は俺の想いを受けて仕事を完遂する。

『失敗したっていいんだ、最後は俺がケツ拭いてやるから思い切って行ってこい!』

って、今の俺は胸を張って言える。

そうしないと、若い人は成長しない。

個々が考え、行動し、そして、”個”の力が向上していく…

それが、会社にとって大事なこと。

確かに人を育てるのには時間も掛かるし、大変なこと。

でも、それを繰り返さないと会社なんて発展しない。


って…

偉そうなこと書いたけど、

『俺がケツ拭いたるから行ってこい!』

って、社会人なりたての頃に俺が当時の上司に言われた言葉。

そんな言葉が似合うような歳に俺もなったんだなと…


いま、毎日仕事行くことが楽しくてたまらない。

本当にジャンジャン電話が掛かってきて、切ったら不在着信、また切ったら不在着信ってことも有るし、ジジイだからよく忘れることも有るけど、2年掛かって試行錯誤の上、皆で作り上げた今のカタチ。

俺一人の力じゃ到底できなかったことだし、誰かひとり欠けても出来なかったこと。

こんな達成感、この歳でまた味わえたことが、本当に幸せなこと…

そう考えると、残された定年というゴールまで時間余りない。

何故か、グループ会社のエリア長から上を飛び越えて俺のところに、

「力を貸して欲しい」

と言われるまでにもなった。

そこでまた、新たな仕事が生まれる。

それで、そこにはまた新しくその仕事にかかわる人材と出逢う。


そんな毎日を捨てて、FIREなんてやってられるか!

”生きている”ということを実感させてくれる今の日に感謝…


明石家さんまさんの言った

『生きてるだけで丸儲け』

正にそんな毎日になってきた。


今の俺は次世代を担う人達にバトンを渡す役割…


主役を張るのには遅すぎたけど、裏方で舞台の袖から、若い人達が輝く姿をにんまりしながら微笑んでられる。


あぁ~生きててよかった!

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