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アルバイト15個やってた話② 結婚式場編
学生の頃、大量にやっていたアルバイト記録第2弾。
前回はこちら
結婚式場
都内の大学生にとって、ブライダル業界は割とありふれたバイトではあると思うが、高校生の時にはそんなものがあるなんて思ってもいなかった。
だって、結婚式って人生で一番大事な日で、絶対失敗が許されないはずなのに、素人の学生がするなんて有り得ないでしょ!と思っていた。
全然ありえる。
披露宴なんて何なら全員大学生の時もある。
これはかなりびっくりした事だった。
経験したバイトの中で、ホテルと式場を分けて書いているが、一部が重複しているものの、別物といってもいいだろうという判断からそうさせてもらった。
ホテルで結婚式を執り行う場合、宴会場で披露宴を行う時にだけバンケット係と呼ばれるアルバイトが招集される。
つまり、基本的に食事を出したり下げたり、お酒を着いだり片付けたりがメインの仕事だ。
それ以外には関わらない。
ホテルでの仕事は、披露宴よりも企業のパーティや大規模イベントが多かった。ディナーショーなんかも行われるし、ビュッフェ形式の時も結構ある。夏場はプールサイドでビアガーデンをする時もあった。
大変なのはむしろ宴会中ではなくて、無限にグラスを磨いて準備したり、トーションを4時間畳んだり、クロークで1000人の荷物を捌いたりすることだ。
これは式場では全く無い業務なので、切り分けた。
私はホテルはたぶん4箇所、式場は2箇所、経験した。知り合いが派遣会社を経営していたので、そこに登録していた。
基本的には同じ場所に通うのが普通なので、メインのホテルで1年働いた後に、登録を結婚式場に移してもらって1年働いた。
人が足りなければ他の場所に応援に行った。
結婚式場では私以外のほとんどは派遣された人間ではなく、直接式場が雇っている学生がメインだった。大学生だけでなく、ブライダル系の専門学生も多かった。だからわたしも途中からは派遣の人、ではなく式場の人として扱ってもらっていた。
結婚式場というのは、教会と披露宴会場がいくつか入っている、それ専用の建物だ。
大体の部屋がホテルよりも小さくて、小規模だが近しい人とのみするのには向いている。
内装は披露宴に特化しているので、むしろ式場の方がロマンチックだ。可愛らしい調度品や壁紙、色んなキラキラしたシャンデリア。
ピンクの部屋、水色の部屋、黄色の部屋、たくさん種類があるのも楽しい。
式場での仕事の流れは大体こうだ。
まず当日何件披露宴が入っているか確認して、1つ目の担当の会場へ向かう。
ウェルカムドリンクの仕込みをはじめながら、空いてる時間で新郎新婦へのメッセージボードに一言書く。(ある時と無い時がある)
今日サーブする料理の具材や名前をメモして覚える。アレルギー対応や幼児へのお子様セットが無いか同時に確認する。
座席表を見て、新郎新婦の両親はどこに座るのか(起立時に席を引くため)、スピーチを行う人はどこに座るのか、覚えてメモをする。
そう、始まる前に覚えることがたくさんあるのだ!
私が好きだったのは、新郎新婦が入場する時にドアを大きく開ける係で、緊張する2人がドキドキしながら顔を見合わせたりしているのを横で見るのは幸せのお裾分けごちそうさま!という感じだった。
式がはじまれば順番に料理を出していくだけなので、レストランとそう変わらない。
シャンパンをポンっと音を立てて開ける練習をさせられて、
「新郎新婦、ケーキ入刀です!」
のタイミングに合わせてポンポンポン!とお祝いらしく音を立ててポーズをとるのは、演劇見たいでこはずかしかった。
式場のバイトのおかげで、高速ワインコルク開けと、お皿3枚持ちができるようになった。
最近は友人の式に行くようになり、働いていた頃とは若干変わったなと思う部分がある。
余興だ。
おそらくコロナ以前以後で規模感が縮小されたのが原因だと思うが、あの頃はみーんなパーフェクトヒューマンか恋ダンスを踊っていた。
今日は知らない人が多いなと思っていたら、フラッシュモブのダンサーが同じ制服を着て紛れ込んでいることもあった。
毎回お祭り騒ぎでユニークで、大きな流れはあるけれど、2人のオリジナリティが反映されるので飽きることがなく楽しかった。
大変なのは、同じ披露宴会場を1日複数回使う時で、繁忙期は11時、14時、18時で三回転する時もあった。
ゲストが全員はけたあと、「ノーゲス!」と誰かが大声を出して、それまで穏やかに退出を促すクラシックが流れていたのが急に爆音EDMに切り替わる。
それを合図に、各々役割分担して、走り回る。大体前の回が押すので時間がほとんどない。さながら戦争のようにみんな殺気立っている。
掃除機をかける人、食器を下げる人、机の上の花や飾りを片付ける人、テーブルクロスやナプキンを替える人、シルバーを並べる人、ろうそくを替える人。
時間がない中、毎回微妙に異なる飾り付けの指示を忠実に守りながら、綺麗に用意が整ったら、BGMのプレイリストを元に戻して、裏に戻る。
これの繰り返し。
結婚式場のアルバイトも、人生のターニングポイントに関われるハッピーな仕事ですごく好きだった。
ヒールのパンプスで12時間立ちっぱなし、掃除やら片付けで体力使いまくる点がキツすぎたのと、黒髪厳守だったのが嫌で途中でやめてしまった。
これもおすすめ度は3くらい。
結婚式場編、おしまい。