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花相の読書紀行№.115『喧嘩猿』

男の生き様が、時代を走る!

【喧嘩猿】/木内一裕
<あらすじ>
盗まれた名刀・池田鬼神丸を巡り、男たちの生き方が衝突する。森の石松、黒駒の勝蔵、法印大五郎、武居の吃安……。時は嘉永六年。鬼才・木内一裕が書き下ろす新・講談、“幕末侠客伝”が現代に浮上する。
売られた喧嘩は必ず買う。度胸だけを頼りに己の信じた道を進むだけ。世間を敵に回しても、生き方だけは変えられぬ。馬鹿と呼びたきゃ呼ぶがいい。こんな糞みてえな世の中で、命を惜しんでまで生きていてえとは思わねえ。
名刀・池田鬼神丸を巡り、男たちの生き方が激突する!デビュー作『藁の楯』映画化の著者が書き下ろす、七作目にして、痛快の極み。

★感想
幕末の博打打、清水の次郎長の子分だった“森の石松”のお話です。

“森の石松”と言えば・・・。
「あんた江戸っ子だってねぇ。喰いねぇ、寿司喰いねぇ」
が、名台詞だけど、浪花調で進むストーリーは、男の意地と人情、そして度胸を頼りに自分の信じた道を突き進む石松の誕生を描いています。
喧嘩っ早くて一本気、短気で単純で情に脆い石松‥‥。
質の良い講談を聴いているように、スピーディーで愉快で切ない幕末時代劇、是非楽しんできた抱きたい一冊です。

最後はちょっと悲しくなっちゃいますが、一気読みできる男の世界です。(*^-^*)❤

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