花相の読書紀行№.147『善人長屋』
凄腕の悪党たちが繰り広げる、心温まる人情時代小説【善人長屋】/西條 奈加
<あらすじ>
善い人ばかりが住むと評判の長屋に、ひょんなことから錠前職人の加助が住み始めた。
実は長屋の住人は、裏稼業を持つ“悪党”たち。差配の儀右衛門は盗品を捌く窩主(けいず)買い。髪結い床の半造は情報屋(ねたもと)。文吉、唐吉兄弟は美人局(つつもたせ)。根っからの善人で人助けが生き甲斐の加助が面倒を持ち込むたびに、悪党たちは裏稼業の凄腕を活かし、しぶしぶ事の解決に手を貸すが……。
人情時代小説の傑作