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【備忘録】1カ月ちょっとで漫画40p描いた話
まえがき
今回、コミティアに出した漫画は1カ月で40Pを仕上げた。
何でそんな超特急になったのかはアホな話で、予定していたノベルゲームのお話が詰まって進まなくなったから……。
しかし、恐らくこんな感じで1カ月に50何ページも描く人はゴロゴロいると思う。
しかし!当方こんなことは初めてな上、もしかしたら超特急で漫画描きてぇ!っていう欲張りさんの手助けになったらと思い、言語化してみる。
あと、最近は文章を作る練習をしたいのである。書かせてくれ。
【ざっくりスケジュール】
8月下旬
ノベルゲームが間に合わないことが確定。
でも何かしら作品を作りたいやる気が抑えきれなかったため、コミティアにて漫画を1つ出すことを決意
9月上旬
リアルが激務のため特に何もせず。アイディア出しは移動中にやる。
※とりあえず読み切りを漁っていた(後述)
9月中旬
シルバーウィークにイギリスへ旅行するため、それの前にネームを終わらす。
9月下旬
旅行→旅行記はこちらから!
10月突入
下描きから開始
【アイディア出し】
コミティア150は秋→ハロウィンが終わった後→ハロウィンがテーマでいいか→ハロウィンと言ったら?→悪魔、魔女とか?→魔法モノだな!
元々、魔法学園の創作物を描きたいとアイディアはあったので、0からではないとしても0.3くらいからのスタートになった。
そこから、自問自答スタイルでお話を考える。
例えば
Q:「魔法学園の生徒と、悪魔の話を描く」として、生徒は何をもって悪魔と関わるのか?
A:賞金稼ぎ、お金のため、地位のため
↓
Q:賞金稼ぎは何のため?地位はなんのため?
A:弟の治療費、学園に残るため
……
と言う感じに考えていく。
主人公が悪魔と関わる行動原理が決まったら、主人公にどんな変化を起きさせたいか考える。
そして主人公と言うのは物語の始まりと終わりで何かしらの変化がある事でオチとなると昔習ったので、それに倣ってみる。
私は覚悟やら友情やら信頼やら敵をぶっ倒すのが大好きだ。そのため、どうにか主人公に覚悟とそして友情を覚えさせてぇなぁ!となったので最終的に悪魔と友情を芽生えさせることにした。
ここまでで「魔法学園の生徒が悪魔と出会い、覚悟や友情を覚えていく話」が出来上がった。
Q:悪魔と友情ってどうやってすんねん
A:悪魔にとある事情を持たせよう(ネタバレ防止のためとある事情は伏せます)
そうやって自問自答を繰り返し、いきついた最初の描き起こしがこちら。
![](https://assets.st-note.com/img/1731678926-HqbZzWC8cNQekh4fiEILR7Bp.jpg?width=1200)
今見ると結構属性が多い。
竜も描きたい、稼いでいるシーンも描きたい……と詰め込んでいる。
でも削るのは簡単なので、属性はモリモリで始めると楽。
【とりあえず読み切りを漁っていた件について】
読み切りを描くと言ったって、別にプロでもアマプロでもないし専門学校に行ったこともなければ部活動で漫画を描いたことはない。コミティアで3、4回?か描いたくらいだ。
今まではノリとかでなんとな~く描いていたが、前回描いた漫画が異様に詰まりに詰まりまくったので、ちょっとは勉強してから行こうと考えたのだ。そもそも今までも漫画を一本描くのに半年とか時間をかけていた。詰まっていたのが原因である。
そのため読み切りを描くに当たりまず、「プロで活躍している人の読み切りを読もう」となった。どんな話の流れになっているのか真似られそうなら真似てみよう!という事で……
![](https://assets.st-note.com/img/1731678942-cKay5NfUPetnid87DgsHjFxC.jpg?width=1200)
国立国会図書館に来た。
いや~来たかったんだよね!
何故来たか?私が好きな漫画家の読み切りは、デビュー前に入賞した当時の週刊誌にしか載っていないからだ!コミックス化をしていない!
抑えることは3つ。
・主人公の最初と最後の性格
・変化のきっかけ
・変化したことで世界(周り)の何が変わったか
10数名の漫画家がデビューに至った読み切りを読んだ。Google検索にかけても号数が出てこず、年号から逆算したモノもあり、探し当てるのがとても大変だったがそれに見合う面白さだった。さすが未来の超有名漫画家だ…読み切りから抜群に面白い。
これを意識しながらどうやって話が進んでいくかを頭に叩き込んだ。
【表紙/タイトル】
ストーリーを考えてからタイトルや表紙を決めると思うが、自分は最初に決めた方がゴールも決めやすいので表紙とタイトルを先に考える。と言っても前回のクリスマス題材の漫画はタイトルを最後に変えた。ま、絶対ではないので一旦の印みたいなものだと思えばいいかな。
タイトル…スッと言えるような…ハロウィン……悪魔…悪魔ってなんか名前ないかな……ハロウィンって夜のイメージ……お菓子……甘い…スウィート……。
「スウィート ハロウィン ナイトメア!」
口にし易いタイトルだったのでこれで決定。もし他のアイディアが出たら変えよう!と思い仮で決定。意味は特に考えていなかったが、描き終えた今考えると合っていたのでそのままにした。スウィートには甘い以外にも意味あるんだ、ヘー。
むしろタイトルを決めたからこそお話の柱が決まっていたのかもしれない。
表紙はハロウィンっぽくして、夜にして、2人の顔があって、ちょっとミステリアスな感じにして、ナイトメアって名前だから非現実にいるような感じにして…で出来上がり。
【ネーム】
ストーリー進行をまとめる。ノートにばぁ~~~っとお話を書いていく。
こんなセリフ言わせたいな、こんなシーン描きたいな、を書いていき、それらを繋げられるかどうかを考える。繋がらないなら無しにするか、変化させるか。
ゴールは「覚悟と友情を主人公に覚えさせる」なので、物語として何が必要かなとQA方式であげていく。
Q:覚悟させるためには?
A:ピンチが必要。また以前より主人公が譲れない何かがある事。
(譲れない何かを壊させることで覚悟の度合いがグッと上がるのではないかと思ったため。それには後に引けないピンチがあるとハラハラしていいよね)
QA方式は最後までずっとしている。楽なんだ、これ。
世界観の説明は1ページで終わらせて、出会い→主人公の動機→悪魔の動機→HAPPENING→ピンチ→乗り越え→結末の流れ。
シンプルにするため、主人公の守銭奴設定や悪魔の本来の姿設定などは全部ボツ。階級?面倒だわ、首席で良いだろ。病気の詳細や理由?いらんいらん!病気でヤバいがわかればいいや!削りに削った。
削らない場合?100P超えるんじゃないかな…。読み切りで100pは勝負師すぎるし、絶対にダレる。あとそんな描く時間は無い!だってノベルゲームがあと3,4本後ろで待ってんだよ!
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![](https://assets.st-note.com/img/1731679591-tC872HMxQmFEPKsznSkbNgJX.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1731679588-WkdP5OpQTCJxths0YciuSX89.jpg?width=1200)
アナログだと消す・加えるが視覚的に見やすので、いつもこうしている。
【セリフ入れ】
なんとな~くお話の起承転結が決まったらあとはセリフをおこしていく。
この時点でお話の7割は決まっており、後はページあわせでセリフを増減させていく。
クリスタの機能にあるストーリーエディタというのがとっても便利!
1ページに入れる情報はなるべく少なくしつつ、あからさまにキャラをしゃべらせないと読者は意外と理解しない。そのため説明口調にしつつも馴染ませる会話展開を意識する。
そしてちゃんとページ最後のコマがヒキになるかを確認。この時点でヒキのコマだけは下描きしてしまっている場合が多い。
セリフを入れている時点で脳内には絵ができているので、それをクリスタ君とにらめっこしつつセリフを調整していく。
後日に伸ばすと忘れるうえに、「これこっちの方が良い」とか「これ変えたい」とか永遠に終わらない調整タイムが入るのが嫌なので一日で終わらせた。
絵とセリフが合うかわからない場所は、この時点で軽く下描きすることもある。
【下描き】
![](https://assets.st-note.com/img/1731680206-dmJWaj6lcTpRkGYB45Ufqtwb.jpg)
勢いで終わらす。構図のアイディアに詰まった時は漫画を見て真似てみるのもいいが、自分は「映画でこのシーンならどうなるかな」というパターンもある。映像の方が連続しているのでどこで切ろうかなと候補も多い。その辺も引き出しはたくさんあったほうが良いので、読み切りを読んできたのは良かった。
しかも旅行した時、機内プログラムの映画をいくらか見てきたので、それも覚えている。ラッキー。
下描きをしている段階でセリフと合わなくなったら削る、または増やす。ページの増減は2ページに抑えたいところ。
コマ割りはこの段階で考える。
【本描き】
![](https://assets.st-note.com/img/1731680178-HWgBOu1jltkyoph6w9vJTRb3.jpg)
ひたすら描いていくだけなので特になし。当然リアル生活もあるので、平日は1,2ページ(たまに0)、休日は3,4ページのペースだった。それでも出かける用事もあって、平日は2~3時間、休日も稼働は5時間ないくらい。(実際は描いている途中に休憩挟んでいるので1時間マイナスかもしれない)と思うと1時間で一枚のペースだった。
描きこみ具合にもにもよるのだが、面倒な構図や、コマ数が多いところは当然時間が掛かった。
描いていたらセリフと被る!とわかり下描きと全然違う構図になると時間は増す。ただ、これを思うと本来は「それをネームでやるのでは?」と思う。
知らん!やりやすい方でやってるんで!どれだけ忙しくとも、とりあえずクリスタを開くようにして自分に圧をかけるようにはしていた。
本描きが始まったのが10月7日?くらいなため、「一日1ページだと無理では?」という結論は出ていた。サボっていたらマジで間に合わないので。
【印刷会社】
同人誌は見た目も大事。
前回発行したクリスマスの本はプリントオンさんのジュエルペーパーセットのアクアマリンという紙で印刷した。
とてもよかったので、今回は違う色、サンセットピンクでやってみた!
動画ではこんな感じ。実物はもっとピンクに輝きます!
本はこんな感じ!
— 赤津雅人@コミティア150【り20a】 (@akatumasato) November 13, 2024
もっとサーモンピンクに輝きます!#コミティア150#COMITIA150 https://t.co/H4fik52Ohl pic.twitter.com/aWqxJxr5Ri
プリントオンは言わずもがな装飾が豊富で有名だが、自分は早期入稿のキャンペーンをいつも狙って頼んでいる。今回はポスターを作りたかったのでどうしても間に合わせたかった!
結果、30日締め切り予定だったが前倒しで28日に入稿を決めた。凄い。エライ。手は犠牲になった。
【感想】
1カ月で40pは二度とやりたくない。
しかしこのくらいのペースで縛らないとダラダラしてしまうので、今後もあるかもしれない。
正直、手が限界である。めちゃくちゃ痛い。
自分は健康にめちゃくちゃ気をつかう健康オタクなため、腕はちゃんとストレッチするしアームマッサージ器も使っている。湯船でも柔軟はするし、1時間作業をすれば5~10分の休憩入れる。睡眠時間だって削りはしない。
それでもこのスピードは手を傷める!
週刊連載の漫画家はみんなバケモンだ…。週1で10何頁なんて…。
ということで、なんやかんやでできた漫画は、11/17(日)コミティア150にて頒布!「り20a」にてお待ちしております!
![](https://assets.st-note.com/img/1731678665-AE1jymTFYe7DwHMfPI3XgQx6.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1731678678-YrW2mGf4KMVAXQbsDywxacB0.jpg?width=1200)
来場される方は是非お立ち寄りください!
漫画のサンプルを公開しています。どうぞクロスフォリオよりご覧ください!↓
【コミティアサンプル】魔法使いが悪魔をぶっ倒す話 - AkatuMasato|赤津雅人
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ウォーターマークが強いため、クロスフォリオをお勧めします
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![赤津雅人](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159898086/profile_861687a600d4b64a413290947824fcf1.jpg?width=600&crop=1:1,smart)