主演と2番手と3番手
今期、清原果耶さんが主演する『霊媒探偵・城塚翡翠』というドラマがありました。ちょっと異例なのですが、5話でいったん終了し、続編という形で『invert 城塚翡翠 倒叙集』というタイトルで、同枠で放送中です。『霊媒探偵・城塚翡翠』の当初の概要は以下の通り。
霊が視えるヒロイン・城塚翡翠は、霊視によって事件の犯人を特定できるものの、そこには証拠能力がなく…。翡翠が「霊媒探偵」として犯人に向き合っていく異色の探偵ドラマ。
翡翠の力を借りながら、論理的に推理して事件を解決していく小説家・香月史郎家役に、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で「トキュウーサ」と呼ばれ、思わぬ人気となった瀬戸康史さん。翡翠の相棒役ですから、俳優としては2番手。
翡翠のアシスタント・千和崎真役を演じていたのが小芝風花さん。最初の段階では、俳優としては3番手に見えました(『霊媒探偵・城塚翡翠』最終回までたどり着くとまた違うのですが)。これについて、「デイリー新潮」の面白い記事がありました。
詳しくは読んでいただくとして、自分も小芝さんがキャスティングされた際、あれっ?と思いました。というのも、彼女の最近の連ドラ出演は主演かヒロイン。ブレイク作ともいえる『トクサツガガガ』(2019年)以来、ずっとそうだったからです。
俳優の中には、連ドラは主演のみという方がいます。代表的なのは木村拓哉さんで、例外的に1話だけのゲスト出演はありますが、基本は主演。20年以上ずっと。
一方、主演もやれば、2番手3番手もやる方もいます。代表例でいえば、濱田岳さん。来期ドラマ『探偵ロマンス』では主演、『警視庁アウトサイダー』では2番手で掛け持ちという具合。
女優さんの場合、ヒロインから入って、主演とヒロインの両方時代を経て、主演のみに移行するパターンもあります。深田恭子さん・石原さとみさん・綾瀬はるかさんがそうですね。皆、ホリプロ。
男優に比べると、女優は年齢を重ねるにつれ、主演が減る傾向が強いようにも感じます。例えば50代で比較すると、連ドラ主演常連の男優には上川隆也さんや西島秀俊さん、竹野内豊さんに阿部寛さんなどたくさんいますが、女優となると天海祐希さんとか。日本だけの傾向ではないですが。
少々脱線しました。今回の小芝さんが2番手なのか、3番手なのかはさておき、主演にこだわらず、どんな役もやれる女優という風に、長い目で見て、
演技の幅を広げるためなのかな、と自分は推測しましたがどうでしょう。
蛇足:清原さんと小芝さんは、朝ドラ『あさが来た』(2015年)に出演という共通点があります。清原さんはこれが女優デビューでしたが、主人公・あさ(波瑠さん)の夫・新次郎(玉木宏さん)に想いを寄せる女中・ふゆ役を見事に演じ。雪の場面は同作屈指の名シーン。たしか、当時まだ13か14歳。
一方の小芝さんも、あさと新次郎の娘・千代役というメインキャストでしたが、不運なことに千代の女学校時代の友人で、眼鏡っ子の田村宜(吉岡里帆さん)に注目が集まり、話題を持って行かれてしまいました。吉岡さんはその後、躍進を続け『カルテット』(2017年)で完全ブレイク。
清原さんは、連ドラ初主演となるNHKドラマ『透明なゆりかご』(2018年)を経て、同じ安達奈緒子さん脚本の朝ドラ『おかえりモネ』(2021年)に主演。『あさが来た』から既定路線だったんだろうなあ、と想像しています。
一方、小芝さんも次の朝ドラヒロインの有力候補に毎回名前が挙がるのですが…。2023年後期の『ブギウギ』は小芝さんと予想してたんですけどね。もう一年先の大阪制作の朝ドラに期待しましょう(小芝さんは大阪出身)。結構、小芝さん推しです。
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