映画日記『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』
定期的に映画館で、映画を観る新習慣の第23弾。今回は、5月26日公開の『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』。NHKで実写ドラマ化された荒木飛呂彦さんの漫画『岸辺露伴は動かない』シリーズの『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』を映画化した作品。
相手のことを本にする特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を持つ漫画家・岸辺露伴(高橋一生さん)は、かつてある女性から聞いた「この世で最も黒く、邪悪な絵」の存在を思い出す。その絵がルーヴル美術館にあることを知った彼は、絵を見るためフランスを訪れる(シネマトゥデイから引用)。
原作は未読&連ドラは視聴といったスタンスで、TVerでの映画特集はひと通り見て予習。平日の昼頃の回でしたが、客はまずまずの入り。以下、ネタバレあります。
連ドラの凝った造りは継承しつつ、フランス・パリ「ルーヴル美術館」でロケということでスケール感も半端なく。高橋さんはもはや岸辺露伴にしか思えませんし、露伴と飯豊まりえさん演じる泉京香とのバディー感も健在。葉山の露伴邸もそうでしたが、建築好きな人にはたまらないロケ場所が多数。
物語はざっくりいうと4部構成。日本(現代)→日本(回想)→フランス→日本(大昔)となっています。物語は露伴が「この世で最も黒く、邪悪な絵」のことを思い出すことからスタート。なお、回想シーンでは露伴役を、なにわ男子の長尾謙杜さんが演じています。
取材の過程でオークションに参加した露伴が購入した黒い絵。それをある男たちに奪われそうになるのですが、すぐに奪還。絵の裏にある文字を発見します。若い頃に黒い絵の存在を教えてくれた奈々瀬 (木村文乃さん)のこともあり、「ルーヴル美術館」にその存在を確かめに行くことに。
『ギャラリーフェイク』的な美術界の裏側を巡るサスペンスであると同時に、芥川龍之介の『地獄変』にも似た絵に対する芸術家の執念、愛する人の命を奪われた者の怨念がホラーテイストで描かれています。
映画タイトルからすると、フランスで事件が解決して終わりかなと想像していましたが、もうひと捻りあり、そこはキャスティング含めてちょっと驚きました。
「命のバトン」という言葉がありますが、十代遡るだけで1000人はいる先祖。今ここにいる「自分」という存在に、それほど多くの人たちが関わってきたんだなと、そんなことも思いました。
余談:NHKのドキュメンタリー番組『映像の世紀バタフライエフェクト』の「ビートルズの革命 赤の時代 『のっぽのサリー』が起こした奇跡」回。知っているようで知らないビートルズ。ビートルズとはまさに“革命”だったんだなと。