ドラマじゃない黒澤版『天国と地獄』

3月23日の出来事で目を引いたのが、1976年の「児玉誉士夫邸セスナ機特攻事件」。ロッキード事件を覚えている世代なら、彼の名前は記憶にあることでしょう。ドラマや映画に登場する「政財界の黒幕」を絵に描いたような人生。Wikipedia一項目読むだけで半日楽しめます。

ちなみに、『劇場版 MOZU』(2015年)でビートたけしさんが演じた吉田駒夫は、児玉誉士夫がモデルと言われています。「よしだこまお」→「こだまよしお」のアナグラムですね。

ついでに、3月23日生まれの有名人の関連作品を紹介していきましょう。まずは美食家で知られる北大路魯山人(1883年)。陶芸など多才な人でもありましたが、傲慢な性格で悪評も多かったともいいます。

彼をモデルにした海原雄山が登場するマンガが『美味しんぼ』 。主人公の山岡士郎の絶縁状態だった父親で、美食倶楽部を主宰。アニメ化されたほか、ドラマ化では山岡役を唐沢寿明さんと松岡昌宏さん、映画化では佐藤浩市さんが演じました(海原役は、実父で確執があった三國連太郎さん)。

続いては、世界的な映画監督の黒澤明さん(1910年)。ベネチア国際映画祭最高賞の『羅生門』(1950年)をはじめ、名作が山のようにありますが、モノクロ作品が多いので、案外見ていない人も多いかも知れません。

敢えて1本勧めるなら、先日最終回を迎えたドラマ『天国と地獄〜サイコな2人〜』に影響を与えたと思われる、名前もそのまま『天国と地獄』(1963年)。身代金目的の誘拐犯と捜査陣との対決を描いた傑作サスペンス。

主演は黒澤作品常連の三船敏郎さん。捜査担当が仲代達也さんで、犯人が山崎努さんという最高の布陣。ここでいう「天国と地獄」は貧富の差を表していて、当時の世相を反映した社会派映画としても秀逸。

最後はプロ野球の巨人を「V9」に導いた川上哲治監督(1920年)。現役時代は「打撃の神様」と呼ばれ、、日本プロ野球では初めて2000安打を達成。「名選手、名監督にあらず」の例外。

『川上哲治物語 背番号16』(1957年)など、映画にも取り上げられましたが、ここで挙げたいのはテレビアニメ。かの有名な『巨人の星』(1968年)や『侍ジャイアンツ』(1973年)に実名で登場します。後者アニメのオープニングで、背番号77が川上さんですね(長嶋・王さんは現役で登場)。



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