映画感想:爆泣き注意報発令『スウィング・キッズ』に魂揺さぶられまくり
劇場公開時にも話題になっていましたが、本当に遅まきながら鑑賞してこれはオススメしなくては!と今さらですが熱い気持ちを吐き出させてください。
日本での劇場公開は2020年2月21日。
そう、正に新型コロナウイルスがが猛威を震いはじめた頃です。
緊急事態宣言は4月から各地で出始めましたが、この頃から既に外出自粛ムード。かかったら死ぬ病として恐ろしい情報だけが広まる状況でした。
そんな中でも割とギリギリまで映画館通いをしていましたし、映画好きからの評判も耳にしていたのですが、タイトルから勝手に某女子高生がブラスバンドを組む映画的な青春ものを想像していて結局鑑賞せずでした。
最近になって、仲の良い映画友だちに「あれは頭痛がするほど泣いた」と聞いて、急いで鑑賞しました。
あらすじ:1951年、朝鮮戦争下の巨済捕虜収容所が舞台。
収容所の所長がイメージアップのため、戦争捕虜たちによるダンスチーム結成プロジェクトを計画する。
北朝鮮兵士のロ・ギス(D.O.)は米軍下士官のジャクソンと出会い、反米思想に囚われながらもタップダンスに魅了されていく。
そんな中、年齢・性別・国籍・イデオロギーの異なるメンバーで構成されたタップダンスチーム『スウィング・キッズ』が結成され、クリスマスパーティーでの公演が決定するのだが・・・。
韓国映画らしいベタな笑いと、ロ・ギスが段々とタップダンスに魅了されていく様を、素晴らしいカメラワークとアメリカ映画っぽい美術、画面構成で見せていく前半はとても楽しい。
特に主人公のロ・ギスを演じたD.O.の表情と身体を使った演技が最高に素晴らしい。ダンスに関しては言わずもがなです。
と言いつつ、鑑賞中は「この俳優めっちゃ踊れるけどスゴいな!」と思ったわけですが。(EXOというアイドルグループのメンバーだと後で知りました)
先生役にあたるジャクソンを演じるジャレッド・グライムスはブロードウェイ・ミュージカルの最優秀ダンサーに贈られる“アステア賞”を受賞した、トップタップダンサー。コロナ禍にアステア映画にハマった私としては、何故本作を劇場鑑賞しなかったのか・・・今さらながら後悔しております。
前半が陽とするなら、後半は陰の部分がクローズアップされます。
本作は、ダンス映画でありながら本質は戦争映画です。
捕虜収容所内でイデオロギーの衝突が常に発生しており、スパイ活動も行われている中、圧倒的リーダーの登場により事態は深刻化して行きます。
スウィング・キッズのお披露目公演となるクリスマスパーティーの裏で計画された所長の暗殺計画。敵か味方か、スパイは誰なのか、それぞれは誰につくのか・・・。
圧巻のダンスシーンと、その背景にある戦争。イデオロギーに踊らされる人々、諸悪の根源は一体何なのか。
魂が揺さぶられるラストシーンを、あなたは涙なしに観ることができるでしょうか?
私は嗚咽するほど泣いてしまいました。
今ならアマゾンプライム他で配信中ですので、興味があったら是非、魂をスウィングさせてみてください。
From AleJJandro Hiderowsky