短歌同人誌「淵」第239号が届きました。
短歌同人誌「淵」の239号が届きました。
この短歌同人誌の規約は、
趣旨
①、淵の会は、歌人、書道家、教育者でもある会津八一先生の系譜を受け継ぎ植田重雄先生を経、その歴史と伝統に基づいてその真文化を創造し、日本の再興を期す。
②、和歌(短歌、長歌、施頭歌、返歌、俳句、随筆、その他)の創作、論評等、形式旧説にこだわらずに自由闊達な精神で表現する場とする。
③、学問と芸術の力で人間の品性を養うべく、教育者として掲げられた会津八一先生の「学規」のこころを学び、現代に生きた歌を詠み出す。
④、ことばの力で、人間性の浄化、お互いの向上を計り、連携と絆を深める橋を築き、豊かな情趣情愛を格調高く取り戻す運動を日常生活に活用する。
「淵」の会は、このように崇高な趣旨の会ですけれど、私はもう、相当前に後輩から「5、7、5、7、7で作るだけで、すごく簡単ですから」と勧められて、趣旨など読まずに、適当に短歌を投稿し続けて長いのです。
ですから、趣旨を見ると、自分の短歌のいい加減さに恥じ入りますけれど、この会は、本当に包容力があって、こんな平気の平左の私が未熟な短歌を作り続けても、全く問題なく十二分に受け入れられてもらえています。
皆様、どなたでも、どうぞご参加くださいませ。
この同人誌は、会員の短歌の数々、佐々木誠吾主幹と渋谷富子さんが交代で書く一人一人の短歌への「前号の歌の鑑賞」の論評(これが愛情深く的確でとてもいいのです)、また、植田重雄先生の歌の掲載などもあり、どれを紹介すべきか迷うのですけれど、会員が持ち回りで「私の好きな一首」を選ぶページがあり、それが皆さんの短歌を紹介しやすいと思い、今回は、「私の好きな一首選」をUPしたいと思います。
今号は、大下さんと私が「私の好きな一首選」を担当しましたが、大下さんに掲載許可をもらっていないので、恥ずかしながら私の選を載せてみたいと思います。
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私の好きな一首選 角田章予選
観劇付きホテル一泊ツアーあり友と愉しむひとときの贅
渋谷富子
在宅の勤務に飽きて庭に出て芝生に動く蟻を追うかな
佐々木誠吾
のぼら摘み湯にくぐらせて塩漬けに濃緑シャッキリ菜のおいしさに
高橋きよ
夕立の屋根打つ音に驚きて蝉の声すら俄かに止みぬ
大野雅子
こつこつと窓打つ音に外見れば震える葵に白雨包める
大木静花
さるすべり空に向かって咲く白に夏の青空雲一つなく
大宮ふじ江
広瀬川の岸の柳の芽ぶく頃およぎ初めるよ小さき魚が
臼井淳一
安静のベッドに眠りもう一人の吾はデスクに短歌を詠む宵
大木容子
枕木を跨ぎ線路に耳あててかなたより来る汽車を聴いた日
丹波ともこ
船長の万歳の声よみがえりあれから令和が始まっていた
勝俣 隆
アオサギは身じろぎもせず池の端に鳳凰堂の影と重なる
伊達美智子
天草の空と海とを色分けてステンドグラスは光の果実
澤田毬子
凶弾に倒れし安倍氏に涙する日本のイエスか優しすぎたり
角田章予
今年が飛躍の年でありますように!!
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