見出し画像

「棘」(詩)

あなたに棘を与えたのは
わたしでした

ツンと指先を弾く
誰の留め金にもならないで

あなたに棘を与えたのは
守りたい心ではありませんでした

あなたがわたしを見て手を差しだす
それをけしてわたしは拒まない

わたしの手は血でぬめり
あなたの手へも温かに流る

このお互いを積み重ね合う
動作に過ぎないために

あなたの棘はもうわたしにも抜けない
わたしだけの乾いた手の平を与えて

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集