私の大冒険の間に書いた詩
ここには、つい昨日の大阪での星野灯さんの展示と詩の朗読会へ行くべく、
かなりの大冒険をした一日でした。
その中で行きの電車の中、
途中下車で長男の鉄活動を見守っている間、
長男とはなれ町を散策しつつお店を探して辿りついたあと、
朗読会の間にぽっとでてきた詩などを、まとめて置いて見ようと思います。
よければお付き合いくださいませ。
「町の匂い」
知らない町の
知らない匂いは
知らない人たちと
大きな緑がつくっていた
あるときは
生みの風と
少しテンションの高い笑い声に
彩られる町も
ほんの少し先へ
またひとつ先へ
行くと行くほど
見知らぬ匂いを重ねていく
「電車を待つ」
いつまでもこの合間がつづいていくような気がする
ひとつの駅で
ただ次の電車を待つ時間
はて、
私の乗るべきは
と、白い闇におおわれる
いつの間にか次の一本は来るけれど
そこまでの時間は
果てしなく自分の身を遠くへと感じる
「車窓」
車窓から切り取られた風景は
とても 透明が深まる
「あしあと」
窓の奥へと続いていく燈を追いかけていくと
どんどんと明るいタイルを踏むようになる
うつくしい覚めたスープを飲み
さめざめとした雨の舌を噛むこともある
遠くさざめきの向こうを沈めて
まだ行くことも出来る
だけど
星に向くのも
風を裂いて進むのも
いい
ああ、どこへ生きよう
あの穴のような窓はもう閉まっているのだろう