「四月二十七日」(詩)
このロマンチスト
振り返る髪は 二つ括り
丸い飾りのついたヘアゴム
オレンジ色だったよね?
知ってるかい
あんた 死んで棺の中に寝かされるときもそれだった
セーラー服が懐かしい私と
ちっとも馴染まなかったそっちは
向かい合うと滑稽だ
骨みたいに細かった
バネのつよい脚だった
軽さと軽やかさが 天秤の上で張り合ってた
目は大きかったけれど
ちっともきれいだとは思わなかった
私は
もう嫌いになれないほど遠くなった
少しも大切には思わないけど
そろそろ謝ろうかと思う
あのとき
私が掴んだ腕
火傷みたいに 死んだ肌に残っただろうから
ごめんよ
私
生きてる
さっさと死んだロマンチストの分なんて手が付けられないくらい
今日は
とてもうつくしい晴れだったことだけ
とどくといいと思ってる