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「新しい星」(詩)

明るい朝の眩しさは新しいって言う
黒闇は宇宙のずっと外に埋まっていると言う
垂らした髪に僅かに白いものが混じり
全て嘘かもしれないと考えて
それも全て嘘かもしれないとひっくり返して
遊び続けるわたしは笑う

わたしと私の違いだなんて
夕暮と夕焼けの溜まりほどに
深くもない使い分けなのです
だけどいったい何文字の失踪で成り立つ詩は在るわけで
あなたとわたしの違いほどに
遠くあるものを並べなくては詩を書くこともできない

月に穴が空くほど
地球がまわりまわるほどに
太陽は小鳥の群れでできている
ねぇ指先で
飛び立たせてみてやりたい
星が埃で満たされて息ができない

明るい瞳であなたを覗くわ
新しい明日には期待は淡くていい
たった今のこぼれ落ちる黄金の小鳥
去ったあとの黒闇は
私の手の平に線を描くの

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