「わたしの泪」(詩)
私はわたしの泪を振り落として
生きることを選んだ
それは全てを
酷使された末の端切れにするためではない
あなたが好きだ
あなたも私を好きだった
そのままの健やかさで
ここに在るために
ただ倒れて朽ちるまで
どこにも出来る限りに無理な力が入らないように
生きたこの一層の完成がうつくしく
満足の息で見送るために
私はわたしの泪を
盃のかたちの手の平の上へと
振り落とす
受け止めた泪
やわらかさの姿を知るために
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