「窓を撫でる」(詩)
雨
やさしく滴が窓を撫で下ろしていく
あなたを忘れたならば
恐らく魂が罅割れる
もしも
あなたという存在と出逢わなければ
この世の時間の全てを呪い
もし
あなたそのものが この世界に
現れなかったことになるのなら
私のあらゆることがらを
私へ通じるあからさまを
私が施すありのままを
根こそぎ消し去ることに
致しましょうよ
きっと
流れていくものは
やわらかな方へと行くのです
窓の透明を離れた
あの一途は
やがて静かに地面に
そのやさしさがかえるように
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