「なる」(詩)
澄んだ音が鳴った
右の耳の
うねりくねる ひだのそばで
澄んだ
鈴の音というには まろみのある
鐘の音というには 高さのある
それは左へと流れてはいかなかった
たしかに右の耳のそばで鳴り
ふかくふかく 私へと
体を階段にして降りていったらしい
今
澄んだ音は 私に成っている
澄んだ音が鳴った
右の耳の
うねりくねる ひだのそばで
澄んだ
鈴の音というには まろみのある
鐘の音というには 高さのある
それは左へと流れてはいかなかった
たしかに右の耳のそばで鳴り
ふかくふかく 私へと
体を階段にして降りていったらしい
今
澄んだ音は 私に成っている