「春へ」(詩)
春のあたまを撫でる
神さま
落しものをしましたね
明るい、は種に成る決心のもと
こんなに花になりましたよ
夏の背を撫でる
神さま
悔いることが川にうつりこみましたね
けれど その重たさが流れを押して
ほら 今 海を 泳ぐ
秋の前髪を上げる
神さま
陽によく抜けた鮮やかさ
その目でそれぞれの正しさを愛し
育つ土を分け合ったのですね
冬の肩をたたく
神さま
どこまでも どこまでも降り包んで
安らかな眠りに寄り添ってくれました
そのぬくもりの縁に触れましょう
それぞれに それぞれの
労りや いとしみをつらね
神さまはうるむ
誰かを大切におもいました
誰かをこの身にかえしたのです
神さま