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2021年12月の記事一覧

聖夜

聖夜

夜の星よ お前は どうだ こっちへ落ちてはこないのか
お前の姿が 一弾と 今日は煌めき 騒がしい
西洋被れのさざめきが 頭の中で右往左往する
聖夜の寝床に神様は 私を 見守っているのか
愛無くしてあなたが生まれなかったなら 愛は必ず必要でしょうか
自惚れて 踊らされて 交合に光り輝く街並みの様に 次の日にはまるで元通りの夢が覚めるように
矢張り 私 騙されていたのでしょう
きっと どこにも いない

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落ちる鵲

落ちる鵲

吐露の仕方がわからない 闇雲に当たって底知れず
鵲よ お前の声は指揮を上げ 勝ち勝ちと価値価値と
その実 飛んで後を濁さず 責任を取ってはくれやしない
曝露の仕方がわからない 明暗に希望持って無知を知る
鵲よ お前の黒と腹の白さは 人よりずっとマシだろう
その実 落ちて進めど美しい 無常のままを許しておくれ

空の背 向かう 泡沫の波の夜に星少し
心に残る無情さは 己を騙して生きるのみ
正直であれ

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鋭利

鋭利

端的端的 実に端的
人の生を奪っておいて よくも まぁ
感動か 嬉しいか 泣きたいか 苦しいか
こちらに目を向け口を紡げ
こちらの耳を塞ぎ喚くな

端的だ 実に端的だ
酷い 夜を刻んですり減らし
それでも笑える人が
いかに聖人であったか
或いは言い訳のお得意であるか

端的端的 実に端的
人の振り見て我が振り直せ
我が身は我儘 意地悪

端的だ端的だ
約束夢みて安らかに
気持ちがいいのはお前だけだ

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