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幽霊の鉛

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2023年11月の記事一覧

人間である前に隣人であること
所詮はわたしに関係ないからと、それでも愛しておくべきらしいのです
結局、隣の芝の色は気になるのです

隣人である前に人間であること
所詮はどこの誰でもないけれど、故に憎むべきものではないのです
尚更、自分の心が卑屈なのです

元に返すというのは、随分身勝手な事だった。
こちらから拾っておきながら、一枚に戻してやるなんて。責任、取れなくてごめんな
泣いてる
みんな。
マグマのそこでふつふつ泣いてる

ぎゃあぎゃあ
泣き止まねぇんだ
ずっと、あのひの追放された日から
俺の目には7階の冷たいドアと風だけがずっと「現実だって」吹いてる
泣き止まねぇんだ
まだ妬いてるんだ
焼き回したビデオも今の回線だって
なんにも変わってない
帰りたい病院の小さな箱に
あの日までしか家は……

ギリギリギリギリ
立てた歯が削れていく
破片で指し示してやる
俺の首に線が伝って
ざまあみろ、あの日のあんたとお揃いだ

ぐらぐら
冬眠前の一口
目が覚めたら全部溶けている
知っている
冬の死体

ぐつぐつ
拭った秋の味
目が覚めたら全部夢になっている
知りたくない
君の死体

ふつかたっていた
嫌、みっか、かな
わざと飲まないでいた錠剤は
小さな反抗心と怠惰。それと自殺。
どうやってタッケ
みつけた、もっていた
ケサランパサランとくろーばーはブリキ缶の中

寝ぼけまなこ

寝ぼけまなこ

小洒落たルーチンはない
朝起きて、死を予測する
そういう人もいるのではないか。
いても良いんじゃないか。
実は探してたりしないか、君
しないか

何も明るいことだけが目の前にぶら下がっていなくてもいい。勝者には敗者のおかげを、光には影を忘れてはいけない。別にいらないなら、目を潰しなさい。

朝と言っても、大体、夢も別にいいものでは無い。
ズルズル鉛のように重い蒲団にくるまったまま、近日の寒さが肌に

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やさしい言葉でつたえたい
かんたんで憎しみのある
R君は人間の堕落を企てた
たぶん、それ
5歳の書いた素晴らしい詩と
私の書いた酷い散文
何も知らない無垢
なんて、うそだよね
庭で死んだ雛も
隙間から覗いた喘ぎも
R君がそんなこと言うなら
滅多刺しにして欲しかった

とっくに殺して欲しかった
いつも瀬戸際で目が覚める
砂浜から持って帰ってはいけないと教えられた
でも、言いつけは破ったよ
君の電話番号が知りたかった
いつでも呼び出してくれるだろ
いつでも待っているんだろう
サラサラうねる黒髪に
ベタつく風を纏っている
帰りたい
君の胸元へ