安心感と笑いとグルメ|マンガ感想「食べ歩きくま」ナガノ
周囲では知っている人が少ないけれど
密かにずっと好きなマンガがある。
ちいかわの作者ナガノさんが描く
穏やかで等身大のグルメ漫画。
美味しそう!というワクワクと
クスッと笑える切り取り方。
トゲトゲした気持ちも
溶けていくようなエッセイだ。
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「MOGUMOGU食べ歩きくま」
著者:ナガノ
出版社 : 講談社 (2019/1/23)
発売日 : 2019/1/23
コミック : 112ページ
✒グルメ・ゆるい・旅行・自炊・食べ歩き・お酒・甘味・自分ツッコミくま
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旅行先での食事や、カウンターの天ぷら屋さんなど、気合を入れて食べに行くものから、登山をした時のお弁当やお団子など、シチュエーションが美味しくしてくれるもの、スパや動物園、ジムの後の食事まで。
このエッセイに出てくる食事は「生活」の一部で、どれも「このシチュエーションで食べたら、美味しいだろうなぁ!」と共感してしまう。
通常はグルメ漫画に登場しない冷凍の唐揚げや自作のたこさんウインナーが普通に登場して「脚の部分があることにより、2つの食感が楽しめるところや、冷めているところが、なおうまい」なんて書かれていて
わかる…!
確かに、たこさんの美味しさってそこだ!
と、はじめて言語化された身近な味を思い出したりするのが楽しい。
3巻で最終巻となっているけれど「食べ歩き」としても幅が広く、本当にたくさんのグルメを知ることが出来た。
焼きそばにキムチを入れただけの簡単メニューなのに美味しい!という話と、ホテルのバーでオシャレなお酒とチーズを楽しむ話が一緒に楽しめるグルメ漫画はなかなかないと思う。
食べるものはいろいろ。けれど、どれも一緒に体感しているような気持ちになれる。これが「トゲトゲした気持ちが溶けていく」感覚の秘密かもしれない。気がつくと、一緒に「うまい!幸せだ!」と思っている感じ。
「自分ツッコミくま」が主人公だけれど、何かを厳しく指摘したりすることもなく、安心して頭カラッポで「おいしそ~!」という気分に浸ることができるところも、良い。
今年もきっと「あ、今これを読みたい」と手に取る日があるんだろうなと、元旦から思ってしまい、少し笑ってしまった。
2025年も
なるべく穏やかな、良い一年でありますように。
▼最終巻の表紙に居るのは「買ったほうが早インパラ」
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