【詩】絶対安静
絶対にやってはいけないこと:
大怪我して流血しているときは
動いたりしてはいけない
何かをがんばろうとか
傷ついた自分をどうこうしようとかは
間違っても 思わないこと
ただ、休むこと
傷を優しく手当てして 眠ること
こんな自分はダメだとか 否定せず
ああすればよかったとか 後悔もせず
日々のルーティンでさえも 放棄していい
だって私はいま 流血しているのだ
どくどくどく、と 血が噴き出しているのだ
わたしの半身を失い
すべてが半分になり
じっとうずくまって身動きが取れずにいるのだ
肝心なことは
動けない自分を丸ごと ゆるすこと
そしてゆっくりでいいから
大きく欠けた自分の姿に 慣れていくこと
ほんの少しずつでも かならず傷は治ると
信じること
ゆっくり、ゆっくり、ゆっくりでいい
だって この世に移り変わらないものなど
一つもないのだから
そうしていたら いつかはきっと
半分でもちゃんと生きていけるようになるから
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