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元セールスマネージャーが語る。営業職への転職前に読んで欲しい。「BtoC」と「BtoB」の現場目線での違い
はじめに
営業職・セールス職ってどんなイメージでしょうか?
・量販店やアパレルで売り込んで来る人
・スーツをバシッと決めて、面談してる人
いろいろなイメージをお持ちだと思います。
でも、実際のセールスマンのキャリアや裏側って一般的なイメージと全然違うんです。私も営業未経験からスタートしたので、このギャップを解消したいと感じていました。
今回は、キャリアチェンジを考えている方向けに、営業職・セールス職のぶっちゃけた裏側をわかりやすく解説したいと思います。
①まず、営業職・セールス職の本当の役割
一言で言えば、
自分の扱う商材で、お客様の課題解決の提案をする人
本来のセールスの役割は、お客様にヒアリングをして、まだ自覚していな課題を認識して提案する。コンサルタントに近い性質のものなんです。
例えば、
仮に商材で「ネット回線」を扱ってる人なら
まず。お客様の生活習慣をヒアリングし、課題を明確化します。
・ネットはないが、スマホで動画をよく見る → データが足りない。
・データが足りず、お金がかかってる → ネットの方が安いか?
などの情報を集めた上で、
ではこのネット回線があればお客様の課題は解決しますよ。お値段もトータルでお安くなるので、オススメですね。などの提案をするのが役割です。
商材が変わっても、一連の流れは変わりません。
アプローチ → ヒアリング(課題の把握)→ 提案 → クロージング
このように本来の営業職・セールス職の役割は
自分の扱う商材で、お客様の課題解決の提案をする人 です
基本的に、この役割を徹底していればお客様に売りつけず、結果はどうあれお互いに気持ちよく商談を終えることができます。
販売成績が常時Top5に入るようなトップセールスマンの基本的な意識です。
②なんで?こんなにセールスマンの一般イメージって悪いの?(NGパターンとして解説)
主に現場でお仕事されている方の「環境」と「志望理由」の2点が原因です
①90%以上の方が本来の役割を指導されずに独学だから
②セールス職を希望する理由が、販売で楽に稼ぎたい方が一定数いるから
この2点のどちらかが当てはまると
「相手の話を聞かずに一方的に説明して、とりあえず売れればOKなスタッフになります。」
あの一度は経験する商品見てたら、急に寄ってきて興味のない商品の説明をされて嫌な思いをする。パターンは、こういった背景から生まれています。
しかし、こういうセールスマンになるとストレスがすごい上に、売れません。
マーケティング視点でも、ブランディング視点でも、セールスマンってWEBや広告と同じ大切な販売チャネルです。今回は、なっていはいけないNGなパターンとして解説しました。
私も新人の研修を担当する時、特に気をつけていたポイントです。
③「BtoC」 と 「BtoB」 の違い
まずは言葉の定義から。
①BtoC (Business to Consumer)
「企業(法人)」から「ユーザー」へ販売
具体例:アパレル、家電量販店、スマートフォン など
②BtoB (Business to Business)
「企業(法人)」から「企業(法人)」へ販売
具体例:コピー機、販促サービス、コンサルタント など
実際は、「業界」「商材(有形・無形)」など千差万別です。
④セールス職として、共通の仕事内容
・商材の学習(差別化のポイント、競合の研究、自分で使用 など)
・情報管理(販売データの入力、予算管理、マネジメントなど)
・営業手法の改善(数字を元に考える、本、セミナー、先輩に聞く)
⑤「BtoC」「BtoB」別「向いている人」と「特徴」
研修や関わった人、活躍している人、業務内容の傾向を元に経験的に分類しています。
①BtoC (Business to Consumer)の「向いている人」と「特徴」
一言でいうと
・個人間のつながりを重視して、自由に提案したい人
が向いている傾向にあります。
BtoCの特徴は
・1日で成約できる母数が非常に多くなるので高速で経験を積める
・お客様と強いつながりを持てる
・個人対個人で、セールスを全て担当できるため、提案の自由度が高い
具体的な仕事の例
・特定の企業に所属する場合、店頭に立って販売する(アパレル、など)
・来客のみに対応し商材を販売する (不動産、携帯ショップなど)
・営業代行・派遣企業で、様々な店舗に入って販売を行う
②BtoB (Business to Business)の「向いている人」と「特徴」
一言でいうと
論理的 かつ 大規模 な仕事を進めたい人
が向いている傾向にあります
BtoBの特徴は
・基本的に分業。効率化の為、アポを取り、対応、フォローなどに分かれる
・組織 対 組織の為、データ分析・効率化などの論理的な要素が強くなる
・1件の成約が決まるまでの、期間・プロセスが長く計画性が必要になる
具体的な仕事の例
・基本的に社内での活動が多い、テレアポ、問い合わせ対応などもある
・提案資料・プレゼン・セミナーの開催など、多岐に渡るパターンが多い
・専門的なツールを使用することが多い(SalesForce,顧客管理ツールなど)
⑥よく聞く不安のネック解消
①ノルマや残業はきつい?
このあたりは、企業の仕組みやスタンスによって変わってきます。
成功している営業組織の共通項は、
「プロセスの改善」>「行動」>「結果」
の優先順位を管理できている企業は成功しています。
具体的には、
目標 → 行動 → 行動を数字で管理(KPI)
→ 結果 → 分析 → プロセスの改善
を図っており、正しい営業チームは文化として
・行動の量と質が数字で表現される
・1日、1週間、1月などの定期的な改善
・時間あたりの生産性を観測して残業を防ぐ
を重視しており、確実に継続的に結果を出し、残業を非効率の結果として排除する仕組みができています。
逆に、危ない企業はちょうど成功企業と真逆になりでます
・短期的な「結果」しか観測しておらず、プロセスを無視する
・計画性がなく、目標設定も根拠がない
・みなし残業がある(= 生産性が低い or効率化の発想がない)
見分け方
・面接前に、「みなし残業」などを見ておく
・面接の際に、どのように目標設定、改善プロセス、行動を観測しているか?素直に聞くのがオススメです。
②稼げるの?
「能力」と「その企業の仕組み」次第です。
一応、「BtoC」と「BtoB」で比較すると
BtoBの方が、単価が大きいので一見、リターンも大きい。ように思われますが、実際は、販売単価が「数百~数千万」と大きいだけで「関わる人間が多い=コストがかかる」ため、自分に還元されるかは別の問題です。
また、営業能力がいくら高くても個人でできる範囲が分業によって狭く、ある意味で能力を活かして稼ぎづらいとも言えます。
BtoCの場合、出来高制の場合が多いですが母数が多く、即決まるため営業能力の高い方なら個人事業主として、トータルで月数十~数百万稼いでいるパターンが多いです。時間の自由度・制限の少なさも魅力でしょうか。
③キャリアの積み方は?
①経験値を積みたい → BtoC
②キャリアアップしたい → BtoB
一応、しいて言うなら、
①BtoC 短期またはアルバイトで練習
②BtoB 自分の向いている業界・分野・商材
更にマーケッター、WEBマーケッター、個人事業、コンサルタント、などにキャリアアップする流れが一般的なようです。
全体的に個人事業として独立するなど、組織にとどまらない方が多いです。
④コミュニケーション力って必要?
「コミュニケーション力」の定義にもよりますが、
営業職・セールス職・コンサルタント職にとってのコミュニケーション力は、
「相手の課題を把握する力」=「聞く力」=「ヒアリング」 です
質問の技術や考え方などは、「コーチングの本」や「営業関連書籍」と「実践」でカバーできますが、
コミュニケーションが不安な方でも、重要なのは、
前提として「相手の役に立ちたい」というマインドを保つことです。
自然とコミュニケーション力は追いついて来てプロとして活躍できます。
まとめ
Q 営業職・セールス職の本当の役割は?
自分の扱う商材で、お客様の課題解決の提案をする
Q BtoC に「向いている人」は?
個人間のつながりを重視して、自由に提案したい人
Q BtoB に「向いている人」は?
論理的 かつ 大規模 な仕事を進めたい人
最後に
営業職、セールス職は安定して実績を出せるようになるまで、それなりに距離があります。
しかし、未経験でも、お客様に感謝され、組織全体に影響でき、人間関係も広がり、成長を通して人格すら成長できる、可能性を広げてくれる仕事です。
「BtoC」「BtoB」を問わず、セールスに挑戦する意思のある方の、一助になりましたら幸いです。