よもやま料理帖 ~手作り味噌~
毎年、手作り味噌を仕込むのですが
いつも4月の下旬ころに仕込んで
10月ころから食べ始めていたのですが
前回の味噌が、大量にカビてしまったんです
味噌にできたカビは
目に見える範囲でいいので
取り除けば全然食べられるのですが
いかんせん、量が減るのが悔しい
どうしてこうなったのだろう
俺に味噌作りを教えてくれた
千葉の叔母の話では
梅雨の時期が味噌にとっていいんだそうです
温度と湿度、なんですよねきっと
でも、北海道には梅雨がないから
どうしたものか、となったわけです
調べてみると
こうじ菌が活動するには室温が15℃以上必要で
35℃くらいが一番元気に繁殖し
60℃になると死んでしまうそうです
そうだ、こうじ納豆作った時
60℃以下にしてから
こうじを混ぜたのを思い出した
じゃあ、2月に仕込めば仕上がりは8月終わり
7、8月の暑さを経験させて
仕上がりと同時に
冷蔵庫に入れることができたら
上手くいくんじゃないか?と閃いたのでした
室温は15℃以上だから
味噌は発酵し続けるので
色がどんどん濃くなるし
味もどんどん変わってゆくんです
好みの味や風味のタイミングで
冷蔵保存して発酵を止めてやることも
重要なポイントなんですね
この味の移ろいを楽しめるのも
手作り味噌、ならではなんです
ちなみに、発酵がすごく進むと
匂いの強いチーズのような
濃厚な香りを放ちます
これで味噌汁作ったら、たまらない
では、実際に仕込んでみよう!
〇おば直伝の手作り味噌
・覚書①
10kgのプラ樽に
7kgほどの味噌を仕込む分量ですが
大豆:米麹:塩=2:2:1の
簡単な比率なので覚えておこう
・覚書②
米麹を多めにすると
より甘くまろやかに仕上がるので
好みで分量を変えても大丈夫
・材料
大豆:2kg
米麹:2kg
塩 :1kg
・作り方
<前日>
大豆を洗って、水に漬けておこう
2日以上水に漬けちゃうと
気温にもよるけど腐りだすので気を付けて
<当日>
まずは、煮あがった大豆と塩こうじを
テーブルの上で混ぜる作業があるので
テーブルにサランラップを
横、縦と隙間なく敷いておこう
横着して横だけとかにすると
あとでガッカリな自分を経験することになるから
しっかり、横に縦にラップを敷こう
仕込む樽は、アルコール消毒はしないでね
麹菌が死んじゃうぜ(笑)
さて、ここからが本気のスタートだ
①鍋に大豆を入れて
たっぷりの水で1時間半から2時間煮る
アクがすごい出るのでマメに取らないと
アクが鍋からあふれるので要注意
1時間もすればアクが出切るから
ここは離れずせっせせっせとアク取りだ
煮汁が減ってくるので
お湯を沸かしておいて注水しながら煮よう
②疑問に思うのが薄皮問題
さてアクが出切り、大豆が煮え始めると
大豆の薄皮が剝がれてくる
これは、取り除くべきか???
正直、豆の数だけ薄皮があるわけだから
全部取り除くとなると
倍の時間がかかるし
全部とったら何だか分量が変わりそうだ
よって、俺は取らない
③こうじと塩を混ぜる
紙袋にこうじと塩を入れて
こうじがダマになっている場合があるので
揉みこむように混ぜ合わせよう
④フードプロセッサーで大豆を粉砕
煮えたかどうかは大豆を食べてみると分かる
芯がなく柔らかくなるまで煮よう
食べ過ぎて、分量が変わらないように注意だ
指で簡単につぶせるくらい、とよく言う
煮あがったらフードプロセッサーで粉砕
細かくすれば、市販のように滑らかになるし
荒くすれば、豆の形が残った味噌になる
これは好みなので、どのあたりまで粉砕するか
仕上がりをイメージしいておこう
⑤粉砕した大豆で塚を作る
大豆が冷めるのを待ちながら
まるく塚を作っておこう
冷めたら、真ん中にこうじを入れるよ
⑥塩こうじと粉砕大豆を混ぜる
手のひらで丁寧に丁寧に混ぜていこう
手のひらは、たなごころ、といって
美味しくさせるパワーが出るところだ
俺は、おむすびもビニール手袋反対派
⑦味噌玉を作る
しっかり握ってソフトボール大の球にしよう
大小、最後まで均等にできるか
センスが問われるところだ
※味に影響はありません
⑧味噌玉 投下!
味噌玉ができたら、空気を抜くために
樽に向かって勢いよく投げつける
バン!バン!バン!と音を出せ
ハンバーグと同じ原理だ!
※ホントか?
⑨最後に手で押し、塩で封印
味噌玉をぜんぶ投げ込んだら
拳でギュッギュッと押し込んで
少量の塩を上からかけて
気持ち程度のカビ予防をする
※前回この封印がやすやすと突破された
⑩仕上げ
味噌の上にラップを敷いて重しを乗せる
10kgプラ樽には
スズラン印の上白糖1kgが、ぴったり合う
蓋をしてから、ラップでぐるぐる巻きだ
※横に倒れてすべておじゃん、だけは
絶対、避けよ
あとは、冷暗所で半年間、熟成させる
俺は自分の寝室に置いて
毎朝、じーっと見つめてやるのだ
⑪後片付けは、メラミンスポンジ
鍋に、大豆のアクがついており
これが洗剤だけでは、なかなか取れない
メラミンスポンジがあると
ささっとキレイにアクが落ちる
テーブルのラップを四方から
ゆっくり丸めるようにたたんだら
ほら、後片付けも楽ちんだ
縦・横にした重要性が
ここでハッキリするのだ
手作り味噌の仕込み
お疲れさまでした
けいた君、半年後まで
じゃーねー